2023年9月12日、吉野家とNEXT DELIVERYは、石川県小松市において、𠮷野家店舗から郊外へ牛丼を届けるドローン配送の実証実験を実施した。

 小松市では、8月28日にドローンを活用した新スマート物流SkyHubの社会実装が始まり、その拠点となる「ドローンデポ小松」の開所式を行っている。すでにNEXT DELIVERYが実施主体となって買い物代行等のサービスを開始しており、吉野家の弁当を陸送で配送しているが、今回の実証実験は今後のドローンによる配送も見据えて実施したものとなる。

 同市におけるドローン配送は、11月を目途にまずは陸送と組み合わせ、ドローンデポ小松を拠点に開始する予定だ。

 SkyHubは、エアロネクストとセイノーHDが共同で推進する、既存物流とドローン物流をつなぎ、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流のプラットフォーム。ドローンデポを拠点に、SkyHubアプリをベースにした配達代行、オンデマンド配送、医薬品配送、異なる物流会社の荷物を一括して配送する共同配送など、地域の課題やニーズに合わせたサービスを展開、提供する。

(左から)NEXT DELIVERY代表取締役 田路圭輔氏、𠮷野家小松店長 林正美氏、𠮷野家 代表取締役社長 河村泰貴氏(𠮷野家小松店前)
牛丼を載せて離陸する物流専用ドローン「AirTruck」(𠮷野家小松店駐車場)
ドローンが牛丼を届ける様子(木場潟カヌー競技場艇庫)

牛丼を載せたドローンが、片道2.5kmを約6分で飛行

 実証実験では、吉野家小松店から木場潟カヌー競技場艇庫までの片道2.5kmの距離を約6分で飛行した。

 吉野家小松店で調理された牛丼弁当4個を箱に収納し、吉野家小松店スタッフがドローンにセット。10時30分から約30分間隔で離陸し、1ルートを計9回飛行し、小松市民やカヌー選手に配送した。

 飛行ルートは、2024年に開業を予定する北陸新幹線の線路予定地の上空と、小松空港周辺に位置するため、関係各社との事前調整を行っている。

 配送した牛丼弁当は、熱さを保ったまま中身も片寄らずに届けることができた。

 機体は、エアロネクストがACSLと共同開発した物流専用ドローン「AirTruck」を使用した。可搬重量(ペイロード)は最大5kg、最大飛行距離は20km。

ドローンが置き配する様子
ドローン配送した牛丼