2023年9月5日、ソニーは、有効約6,100万画素の高解像、小型軽量のレンズ交換式フルサイズ業務用カメラ「ILX-LR1」の発売を発表した。2023年12月の発売を予定している。オープン価格となり、市場推定価格は46万2,000円前後(税込)。

 同カメラをドローンに搭載し、高解像かつ高精度の撮影を行うことで、点検や測量、マッピングなどで活用することができるほか、設置型の点検調査、フォトグラメトリー分野などにおいても撮影ワークフローの効率化を実現する。

レンズ交換式フルサイズ業務用カメラ「ILX-LR1」(レンズ別売)

 αシリーズのILX-LR1は、高画質、小型・軽量設計に加えて、ソフトウェア開発キット「Camera Remote SDK」に対応することで、リモート制御や自由度の高い設置性を実現。産業分野での活用に必要なさまざまな機能を備えることが可能だ。また、70本以上のEマウントレンズ群に対応し、用途や環境に応じた撮影ができる。

 近年、ドローン搭載向けカメラの需要は増えており、点検や調査、マッピング、測量用途においては、より高解像での撮影が求められている。また、カメラを小型・軽量化することで飛行時の電力消費が抑えられ、1フライトあたりの飛行時間が伸びるため、撮影枚数を増やし、撮影効率を高めることができる。

「ILX-LR1」を搭載したドローン

「ILX-LR1」主な特長

1. 有効約6100万画素フルサイズイメージセンサーと最新の画像処理システムによる高い解像性能

 有効約6100万画素の35mmフルサイズ裏面照射型CMOSイメージセンサーと、最新の画像処理エンジンBIONZ XR(ビオンズ エックスアール)を組み合わせることで、高い解像性能と豊かな階調性能を実現する。高高度や遠距離からでも精細な撮影が可能となり、ひび割れや細かな傷などをより詳細に点検できるほか、マッピング撮影に適した、3コマ/秒での低速かつ定速の連写機能も備えている。

 また、70本以上のEマウントレンズ群に対応。高高度、遠距離から撮影することで撮影効率を高めるなど、環境に応じた撮影が行える。

2. ドローン搭載に適した小型・軽量設計

 モニターやビューファインダー、バッテリーなどを搭載しないことで、小型・軽量設計(幅約100.0mm×高さ約74.0mm×奥行約42.5mm、重さ約243g)を実現。産業用途として必要な機能を備えながら、フルサイズセンサーを搭載したレンズ交換式業務用カメラとして、ドローン搭載時の飛行時間や機動性を高め、撮影ワークフローの効率化をサポートする。

3. システム連携とリモート制御を容易にする「Camera Remote SDK」対応およびインターフェース設計

 ユーザーのシステムからカメラをリモートで制御し、カメラの設定変更やシャッターリリース、ライブビューモニタリングなど、独自のアプリケーション開発を可能にするCamera Remote SDKに対応。たとえば、3Dモデル作成やマッピング作業の際には、任意のIDを撮影画像に付与できる「イメージID」をCamera Remote SDKからカメラに送ることで、静止画とGPS位置情報を紐づけることができる。撮影時のGPS位置情報とIDを組み合わせて記録することで、撮影後に撮影画像とGPS位置情報の紐づけが可能となる。

 Camera Remote SDKの新バージョン(Version 1.11)にも対応(2023年11月予定)。フォーカス絶対値指定(Focus Position Setting)に対応することで、マニュアルフォーカス時に現在のフォーカス位置の取得と任意の位置へのフォーカス送りが可能となり、再現性が高く安定した撮影が行えるようになる。

 また、DCダイレクト駆動に対応し、ドローンのバッテリーからの電力供給が可能。なお、給電、トリガー、フォーカス、撮影完了通知は電源・制御端子に集約し、ケーブル1本で接続できる。

背面

4. 操作性と設置性

 多様な撮影環境への設置やシステムに組み込みやすい、小型の箱型設計に加えて、ボディ背面に端子や操作部のインターフェースと配線を集約することで、操作性と設置性を向上させた。ボディをさまざまな方向で固定できるネジ穴を6面に配置し、底面には三脚ネジ穴も配置している。

底面