2023年8月31日、Pudu Robotics Japan(以下、PUDU)は、日本オーチス・エレベータ(以下、日本オーチス)と共同で、PUDUのビル配送ロボット「FlashBot」とエレベーターをクラウド連携させる実証実験に成功したことを発表した。

 FlashBotは、ホテルやオフィスのデジタル管理とサービス向上のためにPUDUが開発したビル配送ロボット。PUDUは日本オーチスのOtis Integrated Dispatch(オーチス・インテグレート・ディスパッチ)技術を活用し、ロボットとエレベーターのクラウド連携のテストを複数回にわたり実施した。

 エレベーターごとに異なるプロトコルの差異を分析し、さまざまな環境下でも対応できるよう調整を行うことで、FlashBotが自動でエレベーターを利用し、ビル内のフロアを移動して配送することが可能になった。

 今後PUDUは、互換性を備えたクラウドエレベーターコントロール技術を活用しながら、2023年に100台を導入することを目指すとしている。

 日本オーチスのOtis Integrated Dispatch技術は、多くの自律型ロボットと連携できるように設計されたAPI (Application Programming Interface) で、クラウドまたはローカル接続を介して、エレベーターとロボットのシームレスなインタフェースを可能にする。同技術は、エレベーター群およびバンク(低層・中層・高層などのような階のまとまり)レベルでも機能し、さまざまなプロバイダーの異なるモデルのロボットに対しても、柔軟に対応することができる。ロボットが使用できる複数のエレベーターを用意することで、さらに効率性を高めることが可能になるとしている。

「FlashBot」について

 FlashBotは、エレベーターに乗って部屋へ配達を行うことができるビル内デリバリーロボット。ホテルやオフィスビルでのロボットマネジメントとサービスを可能する。

 柔軟で効率的な3D障害物回避機能を備え、クラウド上のネットワーク接続を介して、FlashBotとビル内の他の機器との間で操作指示を送信する。UV殺菌ランプを搭載。6輪独立サスペンションによりスムーズに走行する。

<主な製品技術>

PUDU SLAM
 LiDAR、カメラ、UWB(超広帯域無線通信)、RGBD(RGBと深度)、IMUなど複数のセンサーを統合したSLAMソリューション。PUDUの独自技術であり、ロボットがハイブリッド環境でより効率的にタスクを実行できるようにする。

PUDU SCHEDULER
 複数のロボットが相互に連携し、タスクをリレーしてクラスターのスケジューリングをサポートすることで、配送をより効率的に行う。

PUDU CLOUD
 PUDUのクラウドプラットフォームは、PUDUロボットにクラウドベースのスマートサービスを提供する。ビジネス管理プラットフォーム、自動運用・保守プラットフォーム、シナリオデータ収集プラットフォームにより、ロボットの稼働状況をリアルタイムに検知し、情報に基づいた判断を行い、インテリジェントな配送を可能にする。