パナソニックホールディングス（以下、パナソニックHD）は、2023年4月1日施行の「道路交通法の一部を改正する法律」に規定された遠隔操作型小型車における届出制において、日本で初めて（※1）届け出が受け付けられ、神奈川県藤沢市のFujisawaサスティナブル・スマートタウンにおいて自動配送ロボット（遠隔操作型小型車）の運用を2023年7月31日に開始した。

　東京都千代田区丸の内でも、2023年8月1日から自動配送ロボットを用いた実証サービスの提供を開始する。

※1 2023年8月1日 パナソニックHD調べ

　物流業界における慢性的な人手不足や2024年問題、食料品の購入や飲食に不便を抱える食料品アクセス問題などが社会問題となっており、日本国内では本格的なロボットサービスの社会実装に向けた検討が進められている。
　2023年4月1日には道路交通法の一部を改正する法律が施行され、一定の大きさや構造の要件を満たすロボットは、遠隔操作により安全に通行させることができることについて適切な団体の審査を受けて合格することで、書類提出のみの手続きで公道走行が可能となった。

　同社はこれまでに自動配送ロボットの住宅街での公道走行や、1人のオペレーターによるロボット4台同時運行、保安要員を配置しない完全遠隔監視・操作型での公道走行などを実現してきた。また、今回の道路交通法改正に合わせて、安全基準やガイドライン等を策定したロボットデリバリー協会の発起人として創設に関わり、それらの策定に参画してきた。

　今回の届出制移行に伴い、パナソニックHDは、ロボットデリバリー協会による安全基準の適合審査を受け、7月に合格証を取得。その後、神奈川県、東京都それぞれの公安委員会に届け出を行い受け付けされた。届け出に基づき順次運用を開始している。

遠隔操作型小型車標識の掲示

　神奈川県のFujisawaサスティナブル・スマートタウンでは、これまで提供してきたロボット配送サービスをベースに周辺地域の食材や食品などを配送する。

　東京都千代田区丸の内では2023年8月1日から公道走行を開始し、丸の内仲通りで開催される社会実験「Marunouchi Street Park 2023 Summer」にて、大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会と共同でロボットによる商品販売サービスを提供する（2023年8月9日から9月21日まで）。9月からはロボットを2台同時に運行してサービスを提供する予定だ。

　なお、これらの成果の一部は、新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）の助成事業の結果得られたものである。