2023年8月23日、Mujinは、トラックからの荷下ろし作業(デバンニング)を自動化する「トラックボット(TruckBot)」を米国で先行発売したことを発表した。日本国内では、年内の公開を予定している。
1時間あたり最大1,000個の荷下ろしを実現
デバンニングは、重量物を扱う重労働に加え夏場は高温になることもあり、過酷な作業として自動化の需要が高い。
トラックボットは、トラックやトレーラー上のコンテナから1時間あたり最大1,000個の混載荷下ろしを実現する。同社が独自開発した可動コンベヤ・ハンド・3Dビジョンを「Mujinコントローラ」で制御することで、最も効率的な経路と動作を自律的に計算し、高い生産性を維持しながらコンテナからの荷下ろしを自動化する。コンテナ内は最大15m奥まで到達が可能、最大22kgのケースを扱うことができる。
すでに米国大手小売り・物流企業に納入が予定されており、日本でも国内仕様にカスタマイズした後、展開する予定だという。
「トラックボット」3つの特徴
1. 3Dビジョンによる高精度認識
コンテナからの荷下ろしでは、側面からケースを正確に認識する必要がある。長年のケースハンドリング自動化の経験を通して3Dビジョン性能を向上させることで、高精度認識を実現した。
2. 可動コンベヤとハンドの設計
倉庫・工場内で多くの自動化プロジェクトを手掛けてきたソフトウェア技術と、ハードウェア設計技術により、同システム専用の可動・可伸縮コンベヤ、コンベヤと連携する特殊ハンドを開発した。
3. ロボット知能化ソフトウェアによる動作最適化
システム全体の制御を司るMujinコントローラには、独自の「ロボット知能化ソフトウェア」を搭載。高精度3Dビジョンで認識した情報を基に、リアルタイムに最適な経路・動作を計算し、コンベヤやハンドを動かす。これにより、無駄のない動きで最大1,000個/時の高い生産性を実現した。