2023年7月27日、大和ハウス工業とNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は、大和ハウス工業が開発したマルチテナント型物流施設(複数のテナント企業が入居できる物流施設、以下DPL)において、先進技術を活用した無人点検管理の実現に向け、2023年8月1日より協業を開始すると発表した。

ドローンによる無人点検管理のイメージ
ドローンによる無人点検管理のイメージ(ドコモビジネス | NTTコミュニケーションズ)

 近年、物流施設は大型化や建物管理者の人手不足の影響で施設点検管理の負担が増大している。また、設備の損傷など物流施設の異常による事故や業務の滞りを未然に防ぐことにより、物流施設内で働く従業員やドライバーが安心して業務に取り組める環境が求められている。

 この協業では、ドローンやAIなどの先進技術を活用することで、物流施設の点検管理における負担軽減と利便性向上を目指す。

協業内容

物流施設の無人点検管理を実現するソリューションの開発
 ドローンやAIなどの先進技術を活用し、あらゆる物流施設で汎用的に導入可能な無人点検管理を実現するソリューションを開発する。

開発したソリューションを全国のDPLに導入
 開発したソリューションを全国のDPLに導入することで、点検管理を無人で行う先進的な物流施設の開発を推進する。

開発するソリューションの特長

 開発するソリューションは、NTT Comが販売するSkydio社の自律飛行型ドローン「Skydio 2+」などを遠隔操縦したり、自動巡回を実現するソリューション「Skydio Dock and Remote Ops.」により取得した物流施設内の画像データを「Smart Data Platform for City」(※1)(以下、SDPF for City)にアップロードし、AIが画像解析することで設備の損傷や不審物などの異常を検知するもの。異常を検知した場合、建物管理者・警備員に異常箇所と検知内容を発信するとともに、自動で報告書を作成する。

 同ソリューションを導入することで、DPLの点検業務にかかる時間を約3割短縮できることに加え、設備が損傷した場合、建物管理者・警備員による迅速な対応などを実現する。2025年度より全国のDPLへ順次導入する予定だという。

 今後両社は、建物内で取得した画像データ、DPLを利用するテナント企業の車両運行データ、気象情報などさまざまなデータを取得してSDPF for Cityに集約することで、データ利活用によるDPLの省力化や効率化を推進したり、非常時のドローンによる避難誘導などについても検討するとしている。

※1 Smart Data Platform for City:NTT Comが提供する、都市や施設内外に点在する人や物に関するデータをシームレスに取り扱い利活用を可能とするプラットフォーム。

各社の役割
大和ハウス工業:ソリューションの開発・実証環境の提供・実用・課題の抽出・改善
NTT Com:ソリューションの開発・課題の抽出・改善

開発するソリューションのイメージ