2023年7月25日、DJIは、2つのメインカメラを搭載したAirシリーズの新製品「DJI Air 3」を発表した。Airシリーズとして初めて2つのメインカメラと全方向障害物検知などを備える。

 広角カメラと中望遠カメラ(3倍ズーム対応)を搭載し、圧縮効果を利用した映像撮影も可能。両カメラとも4800万画素の画像や4K/60fps HDR動画の撮影に対応し、細部まで鮮明で高品質な映像を撮影できる。飛行時間は最大46分、全方向障害物検知機能、O4 HD映像伝送システムなど、フラッグシップ級の機能を多数備える。

 DJI Air 3は、2023年7月25日よりDJIオンラインストア、認定ストアより販売する。

<販売価格>
・DJI Air 3(DJI RC-N2付属):12万9,800円
・DJI Air 3 Fly Moreコンボ(DJI RC-N2付属):16万5,000円
 標準送信機DJI RC-N2、追加バッテリー×2、バッテリー充電ハブ、ショルダーバッグなどが同梱
・DJI Air 3 Fly Moreコンボ(DJI RC 2付属):18万7,000円
 700ニトの5.5インチ1080pディスプレイを搭載した送信機DJI RC 2、追加バッテリー×2、バッテリー充電ハブ、ショルダーバッグなどが同梱

2つのメインカメラ「広角カメラ」「中望遠カメラ」

 Airシリーズとして初めて2種類のメインカメラを搭載。機体重量720gと軽量でコンパクトなボディに、広角カメラと3倍ズーム対応の中望遠カメラを備えている。共に1/1.3インチCMOSセンサーを採用。両カメラのセンサーサイズは同じであるが、焦点距離が異なり、どちらのカメラで撮影しても同等レベルの画質を維持しながら、より多様な映像表現が可能だ。

ピクセルサイズ焦点距離(35mm版換算)絞り値
広角カメラ2.4μm24mmF1.7
中望遠カメラ(3倍対応)2.4μm70mmF2.8

 広角カメラは広大な景色をフレームに収めることができ、中望遠カメラでは圧縮効果により被写体前後の風景が圧縮され、迫ってくるような効果を得ることができる。両カメラ共に4800万画素の画像撮影が可能。後編集でクロップ(画像を切り出し)して、新しい構図の映像に仕上げることもできる。

 デュアルネイティブISOにより、高フレームレートでの4K/60fps HDR動画の直接出力や、最大4K/100fps(スローモーション)の動画スペックを持ち、前モデル(DJI Air 2S)のようにクロップして画角を狭める必要はないという。両カメラ共10-bit D-Log Mと10-bit HLGのカラーモードに対応。10-bit D-Log Mは明暗部をより繊細に捉え、後編集を柔軟に行うことができる。

 Airシリーズとして初めて2.7Kの縦向き撮影(9:16)に対応し、編集することなくSNSに投稿可能。

最大46分の飛行時間、バッテリー充電ハブの集電機能

 最大飛行時間は46分と、前モデルと比較して48%向上している。新たなバッテリー充電ハブの集電機能は、複数のバッテリーの残量を、残量の一番多いバッテリーに移動することができる。

全方向障害物検知機能とO4映像伝送

 DJI Air 3は、Airシリーズとして初めて全方向障害物検知機能を搭載し、周囲の環境全体の状況を把握することができる。ドローン前部と後部の2つの魚眼レンズにより、前後・左右・上方の検知に対応。底部には両眼レンズと3D ToFセンサーを搭載し、障害物を全方向で検知する。

 障害物を検知するとAPAS 5.0を使用して能動的かつスムーズに障害物を回避・迂回し、撮影を続行。空撮初心者でも安心して操縦できる。アクティブトラック機能は、簡単な操作で自動飛行を実行可能。アドバンストRTH(Return to Home)と併用すれば、ドローンは安全にホーム地点まで帰還する。

 O4映像伝送システムは、最大20kmの伝送距離(日本では10km)を実現。安定性を向上し、ライブビューのスタッター現象(映像が止まったり途切れたりする現象)などを回避する。最大1080p/60fpsのライブ映像と高フレームレートに対応し、滑らかなライブ映像を確認できる。

インテリジェント機能

フォーカストラック :Spotlight 2.0、ActiveTrack 5.0、Point of Interest 3.0で構成されるフォーカストラック機能。被写体をフレームの中心に捉え続ける。

クイックショット :ロケット(カメラを下に向けた状態で上昇)、ドローニー(対象をカメラにロックした状態で後ろ上方に飛行)、サークル(被写体周囲を旋回)、ヘリックス(被写体周囲をスパイラル状に上昇しながら旋回)、ブーメラン(楕円を描きながら、始点から離れるときに上昇し、下降しながら始点に戻るパターンで対象の周りを旋回)、アステロイド(後方かつ上方に向かって飛行し、数枚の画像を撮影、その後始点に戻る。生成した動画は最高地点のパノラマから機体が下降するような映像となる。広角カメラのみ対応)。

2.7K 縦向き撮影 :両カメラとも2.7K縦向き撮影に対応。撮影した映像はSNSですぐに共有でき、クロップなどの後編集は必要ない。

マスターショット :自動的にさまざまなカメラワークで複数のクリップを撮影し、映像を編集、音楽の追加まで、シネマティックな映像を素早く簡単に生成する。

ナイトモード :ノイズ低減アルゴリズムにより、低照度環境でも最大4K/30fpsでノイズのない映像を撮影。

ハイパーラプス :フリー(自動的に写真を撮影)、サークル(選択した被写体の周囲を飛行しながら自動的に写真を撮影)、コースロック(飛行方向を固定)、ウェイポイント(複数の経由点を移動しながら自動的に写真を撮影)の4種類のモードから選択し、タイムラプス映像を撮影する。(横向き:最大4K、縦向き:最大2.7K)

スローモーション :4K/100fpsまたは1080p/100fpsのどちらかを選択し、4倍スローモーション動画を直接撮影。

SmartPhoto 3.0 :シングルショットモードでは、 デフォルトでSmartPhoto 3.0を使用し、撮影シナリオに合わせてHDR、ハイパーライト、シーン認識から自動で選択、最適な空撮写真を撮影する。HDR DNGフォーマット11ではカメラ内蔵のコントラスト強調技術を使い、より広いダイナミックレンジを記録する。また、画像ファイルは後編集ソフトウェアでJPGレベルの画質を持ち、後編集がしやすくなっている。

クイック転送 :ワイヤレス接続を介して、機体からスマートフォンに写真や動画を素早く簡単にダウンロード。

LightCut :スマートフォンにダウンロードしたLightCutアプリにDJI Air 3をワイヤレスで接続すると、ハイライトシーンを自動で認識したり、ワンタッチ編集を使って映像を編集したりできる。編集プロセス中に映像をダウンロードする必要はないため、スマートフォンの容量を使わずに済む。

ワンタッチ編集:構図と飛行経路を自動的に認識し、構図とカメラの動きをもとに、クリップを自動で選択、シーンに適したテンプレートやサウンド効果を自動で適用し、シネマティックな映像を生成する。

チルトシフト効果:ワンタッチ操作で、映像内の風景がミニチュア風になる効果。中望遠カメラで撮影した映像に適用すると、さらに印象的な効果が得られる。

ウェイポイント飛行 :Airシリーズで初めてウェイポイント飛行に対応。飛行ルートと撮影アクションを事前に計画すれば、難しいカメラワークも自動で実行し、ワンテイクで撮影してくれる。また、飛行ルートを保存し、別の時間帯または別の日に全く同じカメラワークを正確に実行することで、昼から夜、または季節の移り変わりなど、ユニークな長時間タイムラプス映像を捉えることができる。

アクセサリー(別売)

DJI Air 3 NDフィルターセット :ND8/16/32/64フィルターのセット。低速のシャッター速度でも滑らかな映像を撮影可能。

DJI 100W USB-C 電源アダプター :バッテリーや送信機の同時急速充電や、USB-Cポートを介したモバイル端末の充電が可能。

DJI 65W カーチャージャー :軽量かつ持ち運びやすいユニバーサルポートを搭載。バッテリー、送信機、スマートフォン、ノートパソコンなどのデバイスを充電できる。

▼DJI Air 3
https://www.dji.com/jp/air-3