2023年7月20日、SkyDriveは、チャーター機運航会社オースティンアビエーション(Austin Aviation Inc.)と5機のプレオーダーについて合意したことを発表した。また、米国サウスカロライナ州での空飛ぶクルマ運航実現に向けて、同州および州内の主要空港、運航会社等とプレスイベントを開催した。

ステークホルダーとのプレスイベント時の集合写真(2023年7月18日、米国サウスカロライナ州ビューフォート)

 SkyDriveは、2023年1月に開催されたeVTOLシンポジウムにおいて、米国市場への参入計画と、サウスカロライナ州に本拠点を置いたことを発表。2023年6月のパリ・航空エアショーでは3人乗りの空飛ぶクルマ「SKYDRIVE」を発表し、その開発に取り組んでいる。

 今回、サウスカロライナ州政府と州内の主要空港、および運航会社等のステークホルダーと協力し、同州における空飛ぶクルマの実現に向けて本格始動する。

 これに伴い、Lowcountry Aviation Companyの子会社で、チャーター機の運航会社であるオースティンアビエーションと空飛ぶクルマ導入に関する覚書を締結し、設計開発中である空飛ぶクルマ商用機SKYDRIVEの最大5機のプレオーダーについて合意した。

 またSkyDriveは、2022年9月に米国のVolatus Infrastructure LLC(以下、Volatus)と業務提携し、アメリカにおける空飛ぶクルマのバーティポート(空飛ぶクルマなど垂直離着陸が可能な航空機専用の離着陸場)や充電ステーションなどのインフラ構築計画を推進してきた。サウスカロライナ州においてもVolatusは専門知識を提供する予定だという。

 今後SkyDriveは、オースティンアビエーションやVolatusなどと協力し、同州の主要空港を起点とした空飛ぶクルマSKYDRIVEの実用的なユースケースを創出し、商業運航を目指すとしている。

SkyDriveのeVTOL「SKYDRIVE」

各社コメント

SkyDrive代表取締役CEO 福澤 知浩 氏

 SkyDriveはサウスカロライナ州政府、地方政府や様々な関係者の方々に多大なるご支援を賜り事業開発を進めてくることができました。今後、サウスカロライナ州を米国における空飛ぶクルマのインフラ開発の最先端の地とし、SkyDrive社の空飛ぶクルマをより広くご活用頂くために、ステークホルダーの皆様との連携をこれまで以上に密にしながら次のステップに進ませて頂けることを大変ありがたく思っております。

オースティンアビエーション社長 Alex Cavazzoni 氏

 モーター駆動の技術を最初に取り入れた自動車業界のように、オール電動の技術を取り入れた空飛ぶクルマは、ビジネスジェトやチャーター機を運航する業界にも大きな変革と挑戦をもたらします。SkyDrive社が開発する「SKYDRIVE」とサウスカロライナ州の全ての関係者の協力を得ながら、これから業界の次世代のチャプターを創っていけることを楽しみにしています。

Volatus Infrastructure, LLC 共同創設者 Grant Fisk 氏

 我々は、サウスカロライナ州の空飛ぶクルマのエコシステムに参加できることを光栄に思います。また、SkyDriveと協力して州全体の空飛ぶクルマのインフラ計画を推進できることを嬉しく思います。これが米国における空飛ぶクルマの業界の方向付けとなり、さらなる進歩と発展に繋がる事を願っています。