ACSLの米国子会社であるACSL, Inc.は、2023年7月12日、General Pacific, Inc.(以下、GenPac)との間で、米国市場での同社製品の販売、サポート、修理およびサービス支援を行う戦略的販売代理店パートナーシップに関する覚書(以下、MOU)を締結した。

 無人航空機とロボティクスのディストリビューターであるGenPacは、ドローンやロボットといったハードウェアだけでなく、それらに関するソフトウェアやさまざまな専門家レベルのトレーニングの提供を行っている。

 ACSLは、2023年1月にカリフォルニア州に米国子会社ACSL, Inc.を設立するとともに、米国の潜在顧客との連携を通じて小型空撮ドローンSOTENの改良を進めてきた。

 同MOU締結によりACSLグループは米国市場での販売を本格化し、まずは小型空撮ドローンSOTEN(蒼天)の販売を拡大。米国市場では今期50機体の販売を目指す。

 また、ACSL, Inc.へ60万米ドル(約8,300万円)の追加出資を行い、米国における取り組みを加速させるとしている。

GenPacの経営陣およびACSLグループの経営陣
2022年に実施したGenPacでのSOTENデモンストレーションの様子

 世界におけるドローン市場は急速に成長しており、2030年には5兆円規模の市場が台頭する見通しとなっている。これに伴い経済安全保障や環境配慮に関する政策も加速。米国ではNational Defense Authorization Act(NDAA)が施行され、ロシア製や中国製ドローンの政府調達は禁止となり、中国製ドローンメーカーのDJI社は、2022年10月より米国国防総省の「中国軍事関連企業」に指定されている。こうした市場環境の中で、ACSLは経済安全保障、企業向け対応および用途特化型を鍵としたポジショニング形成を狙う。

世界のドローン市場規模 「Drone Industry Insights 」よりACSLが作成