2023年6月8日、ACSLは、同社のVisual SLAM技術を搭載したJEM船内可搬型ビデオカメラシステム実証2号機(以下、Int-Ball2)が、SpaceX社のロケット(SpX-28)に搭載され、国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げられたことを発表した。

 ACSLは、2019年6月に宇宙航空研究開発機構(JAXA)から委託を受け、Int-Ball2航法機能ソフトウェアの製作において、同社のVisual SLAM技術を同機に搭載する開発を行ってきた。

Int-Ball2の地上試験の様子(C)JAXA
Int-Ball2の地上試験の様子(C)JAXA

 ACSLのコア技術であるVisual SLAMは、カメラの映像を画像処理することにより、環境をモデル化しながらドローンの自己位置を推定する。

 下図は、ドローンが黄色の軌跡を飛行しながら、上下、前方のカメラ映像内から特徴点を認識し、3次元の環境モデルを生成している様子を示している。

Visual SLAM技術により3次元の環境モデルを生成している様子

 JAXAが開発した、きぼう(日本実験棟)船内ドローンのJEM自律移動型船内カメラ(Int-Ball)は、みずから姿勢をコントロールしながらISSの中を移動して、静止画と動画の撮影を行うことができる。撮影した映像はリアルタイムで地上の管制員や研究者に届く仕組みだ。

 Int-Ball2が搭載したVisual SLAM技術は、同機がISS内を移動する際の自己位置を把握する役割を担う。