2023年7月14日、ACSLは、タイプエスと合同で小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」および物流ドローン「PF2-AE Delivery」を活用した災害時の支援物資輸送および遭難者捜索の実証実験を実施したことを発表し、その成果をPR動画として公開した。

 地震や台風などの大規模災害の際に、山間部では土砂崩れにより道路が寸断され孤立地域が発生することがある。道路の復旧には時間を要するが、その期間に孤立地域の住民への食料や飲料水、医薬品の供給が止まってしまうため、迅速に支援物資を届ける手段が必要とされている。

 また、山岳遭難発生件数は1日当たり約8件発生しており(※1)、遭難捜索の需要が高まっている。公的組織による一次捜索は原則無料だが、発見されない場合に民間などが捜索を行うためヘリコプターをチャーターすると高額な費用が発生する。そのため安価で効率的に捜索を行える手段が求められている。

※1 警察庁が発行した「令和4年における山岳遭難の概況」より算出

「PF2-AE Delivery」による災害時の支援物資輸送

 PF2-AE Deliveryは、セキュアなシステムを搭載し、LTE通信にも対応した国産ドローン。動画では、ドローンがあらかじめ定めた経路を自動で飛行し、目的地へ支援物資を届けている。

PR動画:「PF2-AE Delivery」による災害時の支援物資輸送

「SOTEN(蒼天)」搭載の赤外線カメラ・ズームカメラによる遭難者捜索

 SOTEN(蒼天)は、飛行データ・撮影データや通信等に対するセキュリティ対策がされた国産の小型空撮ドローンで、4種のカメラ(標準カメラ、赤外線+可視カメラ、マルチスペクトルカメラ、光学ズームカメラ)をワンタッチで付け替えることができる。

 動画は、赤外線+可視カメラや光学ズームカメラによって遭難者を捜索する様子。

PR動画:「SOTEN(蒼天)」搭載の赤外線カメラ・ズームカメラによる遭難者捜索