2023年7月3日、エアロセンスと神戸大学は、2023年7月11日~13日に開催される、最先端のドローンによる災害対応や緊急物資輸送の技術を競う世界大会「World Drone Competition」に共同で出場することを発表した。

 国際自動制御連盟(IFAC)2023実行委員会と先端ロボティクス財団(ARF)が共催する同大会は、3年に1度行われる「IFAC World Congress(第22回国際自動制御連盟総会)」の会期中に行われ、国内外の計4チームが出場する。参加チームは長距離飛行が可能なVTOL(垂直離着陸型固定翼)またはSTOL(短距離離着陸)のドローンを用いて災害対応や緊急物資輸送の技術を競い合う。

 競技のミッションは、災害時のドローン運用を想定し、千葉県の富津みなと公園付近で発生した災害に、横浜市の災害対策本部がドローンレスキューチームを派遣するというもの。地面に記された被災者が求める救援物資の文字を上空から判読し、医療機関へ約300gの治療薬を届けることが主なミッションとなる。被災者が求める救援物資の内容の判読精度、治療薬の配送指定場所への投下の正確性、ミッションの迅速性を競う。

【ミッション内容】

1. 横浜市八景島から治療薬を積んだドローンを出動させ、富津みなと公園付近まで16kmを飛行
2. 被災者が地上に記したメッセージを空撮し判別
3. 富津みなと公園の物資投下場所を判別し空中から治療薬を投下
4. 富津みなと公園から横浜市八景島までの16kmを帰還飛行

 上記1~4の過程を無充電で実施する。

治療薬投下イメージ
飛行経路

 大会出場にあたり、エアロセンスは主にVTOLドローン「エアロボウイング」の提供と飛行距離延長のための改良、および映像伝送(被災者のメッセージ読み取り、治療薬の投下地点の確認)を行う。神戸大学はVTOL型ドローン研究の第一人者であるシステム情報学研究科 浦久保孝光准教授のチームが開発した慣性リール(ヨーヨー)型の物体投下装置をエアロセンスのVTOL機体に搭載し、競技時の機体オペレーションはエアロセンスと神戸大学が共同で担う。