2023年7月14日、コアは、携帯電話圏外エリアを含む山間部の砂防ダム・架空送電線などのドローン点検業務に対する目視外点検見える化ソリューション「ChronoSky Eyes」を、2023年7月末日にリリースすると発表した。

 同ソリューションは、ドローンを利用した点検業務において「3次元地図を利用した精密な飛行計画作成」「仮想空間上での計測作業」「撮影写真の効率的な管理・閲覧機能」を提供する。また、準天頂衛星みちびきを利用して、携帯電話圏外などでも高精度なドローン点検環境を構築。特に人の立ち入りが困難な場所での点検業務が必要となるシーンに大きく貢献するとしている。

 ChronoSky Eyesは、携帯電話圏内・圏外にかかわらず点検対象を3次元データ化し、仮想空間での点検を可能とする。

3次元空間を構築する精密な自動飛行(飛行計画作成)

 ドローンによる点検では、精密な写真を撮影するために点検対象物に機体を近づけて飛行させることが望ましいとされている。しかし、目視外飛行は植生や土砂崩れ等により地図データと実際の地形が異なる場合があり、地図データによる飛行ルート設定ではドローンの航行に支障が出る可能性がある。

 ChronoSky Eyesは、点検前の予備飛行で撮影した写真データから点検対象範囲の最新の3次元地図を生成する機能を有しており、事前に飛行ルートに障害物がないか、どのような撮影画像が撮れるかなどを確認した上で最終的な点検のための飛行計画を作成することができる。

膨大な写真データから要点検箇所を抽出

 ドローンの導入は点検作業の人的・時間的な負担を軽減するが、写真データなど膨大なデータの管理が必要となる。ChronoSky Eyesは、撮影した写真データや生成した仮想空間の点検箇所を位置情報と時間情報に基づいて管理可能。場所や時間に関連付けて管理することで、膨大なデータからの点検箇所の抽出や、同じ場所での経年変化の検出を容易に実施することができる。

携帯電話圏内・圏外にかかわらず利用が可能

 3次元地図作成や点検撮影では、正確な位置情報を利用した機体制御および撮影写真への位置情報の付加が必要となる。ドローンの自動飛行は通常、地上への標定点設置やインターネットを利用したRTK(Real-time kinematic)測位などを利用するが、山間部など人が立ち入ることが難しく負担が大きい場所や、携帯電話の電波が入らない場所も多い。

 ChronoSky Eyesは、日本版GPS「みちびき」の高精度測位補強サービス「CLAS(みちびきセンチメータ級測位補強サービス)」に対応しているため、山中など携帯電話圏外エリアを含むさまざまな場所(GNSS信号が受信可能な環境に限る)で利用が可能。