2023年7月4日、CLUEは、新たに開発した「ドローン遠隔点検システム」が東京都のDX推進支援事業(DX Scrum Teamプロジェクト)(※1)に採択されたことを発表した。ドローン遠隔点検システムを活用し、安全に誰でも簡単に点検業務を行えるようにすることで、橋梁などのインフラ老朽化や維持管理に関する課題の解決を目指すとしている。

※1 DX Scrum Teamプロジェクト:スタートアップと中小企業が“スクラム”を組み、実証実験や成果検証に取り組む機会を提供することによって、スタートアップの革新的なビジネスモデルの実装、中小企業のDXを推進する取り組み。

 国土交通省によると、全国の約73万橋の道路橋のうち約55%が2030年3月に築50年を超えるとされており、インフラの老朽化と維持管理方法の確立が課題となっている。また、道路橋を点検する技術者は不足しており、その点検費用も捻出しなくてはならない。人材が確保できたとしても育成期間中の現地でのフォローが難しいため、全体の標準化や質の底上げが効率的に実現できないという。

 同社はドローン遠隔点検システムにより、安全に誰でも簡単に点検業務を行うことを可能とし、結果として深刻な人材不足の解消と効率的な橋梁点検を実現するとしている。

 クラウドと連携することで、今後ドローン点検をアップデートしていく上で必要となる「AIによるサポート」(検出の自動化、飛行の自動化など)の学習のために必要なデータ(飛行データ、画像データ)を蓄積・活用することが可能になる。

 また、災害時などは急激な点検需要の増加により事業者の手が回らないことも多いが、遠隔点検システムでは点検事業者以外のパイロットと協業しながら効率的な点検(被害状況の把握)が可能になり、災害時の支援・復興に役立てることができる。