2023年6月29日、クリーク・アンド・リバー社(以下C&R社)は、5月30日に六ヶ所エンジニアリング(以下REC)が青森県六ヶ所村の尾駮沼(おぶちぬま)で行った採水実験に協力し、大型ドローンによる約30L分の湖沼水の採水・飛行・運搬を行ったことを発表した。

 採水自体にかかった飛行時間は2分間ほどで、準備などを入れた全行程は20分程度と、チャーター船を使った場合には数時間かかる作業を大幅に短縮した。また、作業者の落水の危険性など人的リスクを軽減したほか、人が近寄れない場合の緊急時のドローン活用による採水の有効性も確認した。

 ドローン採水では、運搬用ドローン「XYZ55」(最大積載量55Kg)を使用。作業体制は、ドローンパイロットが2名、補助1名、監視員1名で実施した。

 今回の取り組みは、緊急時における湖沼の放射能濃度測定に、人が現場に近づかないでドローンによる作業が可能かどうかを検証するために実施したもの。

 通常は採水船をチャーターし、作業員4名程度が関与し出船して数時間かけて採水を行う場合が多いという。船での作業は波の高さや強風による作業の危険性があり、放射線量が高い場合などの緊急時調査では可能な限り人が直接採水するのは避ける必要があるといった課題があった。

 検証・調査では、RECが計画・採水治具を担当し、C&R社は大型の運搬用ドローンを使用した採水に協力した。

 今回の調査フライトから、海や川でドローンが利用できるか、底土の採集でも可能かどうかなど、今後の検討課題を把握することができたとしている。

当日の作業の様子