2023年6月22日、ツクリエは、同社が共同事業体として運営するオープンイノベーション拠点「かわさき新産業創造センター(KBIC)」に入居するTEADが、新たなカワウ対策手法を導入することを発表した。

 近年、内陸部の水辺地域や人の生活環境では、魚をエサとして食害する漁業被害、営巣地の近隣で発生する糞害、景観悪化・騒音など、カワウによる被害が増加している。TEADは群馬県と協力し、2020年からドローンを活用したカワウ被害の調査・対策に取り組んでいる。

 TEADは環境保護と生態系の調和を目指し、ドローンを活用したカワウ対策を実施。カワウの生息地周辺にドローンを飛行させて繁殖状況を確認し、営巣にドライアイスをピンポイントで投下した。

 ドローンにより調査を行うことで、カワウの営巣状況を正確に把握し、早期に鳥獣被害対策を実施することが可能となる。ドローンによる被害対策の継続的な取り組みにより、生態系への影響を最小限に抑えながら人と自然の共存を図る。

 また、巣内の卵をドライアイスで孵化防止することで、個体数の増加を抑制。人力での作業は危険を伴うが、ドローンを活用することで安全に高所の営巣にドライアイスを投入することができる。

 TEADは、カワウの生息地や状況に合わせてカスタマイズした対策プランを提供、専門スタッフがドローンの運用とデータ解析を担当し、効果的で持続可能な対策を実施するとしている。

ドライアイスを投下したカワウの巣