2023年1月20日、アルガリは、2022年度に埼玉県毛呂山町において、毛呂山町まちづくり整備課と共同で獣害および河川巡視の実証実験を実施したことを発表した。

 実証実験ではドローンで安全性を担保しながら獣害や河川を巡回し、そのノウハウや有効性を自治体や対象地域へ提供、地域の住民や生産者でも実施可能な内容へ落とし込み、自主的に実施可能かを検証した。

 同実証の結果により自治体と地域を可視データで結ぶことで、被害状況や状況確認時に起こり得る確認者の傷害や事故を減らすことが可能となる。

【獣害対策】

 日本国内で生産される農作物の被害は約155億円(※)で、クマやイノシシ等による死亡事件も発生している。ドローン単独での獣害対策の完結は難しいが、例年の発見情報を起点に周辺を広域に巡視し「倒木」「水辺」「けもの道」等の野生動物が活動しそうなポイントを発見して早期の警戒態勢実施に寄与する。

 イヌ・ネコ程度の大きさの動物の場合、約50mであればドローンで確認できた。これらの確認事項をもとに視認マップを作成することで、進行方向や侵入経路も予測が可能となる。また、安全な場所から空撮を行うことで、潜んでいる獣からの予期せぬ攻撃を防ぐことができる。

※ 出典:農林水産省 農作物被害状況(https://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/hogai_zyoukyou/

獣害対策飛行ルート
獣害対策

【河川巡視】

 河川の点検には水上・水中・水底および水質等さまざまな点検があるが、今回は水面より上の巡視のみを実施した。実証ではハザードマップの対象地域約1kmを巡視して、堤防および未舗装地域の視認、色彩による深度等の河川に関わる情報収集、河川の動植物の状態確認を行った。

 堤防施設であれば人が立ち入って比較的安全に目視できるが、川表では地形や植物等に阻まれるため舟等が必要になる。水深によっては舟艇が侵入できない場合もある。長大な河川の監視では、上空からの広角でさまざまな点が確認できた。

河川巡行ルート
河川の様子