2023年6月5日、屋内空間専用の産業用小型ドローン「IBIS(アイビス)」を開発するLiberawareは、JR東日本スタートアップ、ちばぎんキャピタル、リバネスキャピタル、セーフィー、One ip PE2有限責任事業組合を引受先として、第三者割当増資による資金調達を実施したことを発表した。

 同社は、製造業・金融業など多岐にわたる業界の株主との連携を強化し、さらなるサービスの拡充、より高度な研究開発を促進するとしている。

<出資者>(順不同)
JR東日本スタートアップ
ちばぎんキャピタル
リバネスキャピタル
セーフィー
One ip PE2有限責任事業組合

産業用小型ドローン「IBIS」。直径20cm、重量185gと小型であるため、一般的なドローンでは困難な屋内・狭小空間でも飛行できることが特徴。

JR東日本スタートアップと資本業務提携

 さらに同日、LiberawareとJR東日本の子会社でベンチャーへの出資や協業を推進するCVCのJR東日本スタートアップは、資本業務提携に合意したことを発表。これまで連携して取り組んできた鉄道・インフラ業界における設備メンテナンス業務などのデジタル化をさらに加速させるとしている。

 両社は、JR東日本が主催する「JR東日本スタートアッププログラム2019」の実証実験において、JR新宿駅の駅舎天井裏でIBISを飛行させ、撮影した動画から配管やケーブルなどの設備の状態確認や計測・三次元データ化に成功。人の立ち入りが困難な空間の点検業務について、ドローン活用の有用性や業務効率化の可能性を検証した。

 また2021年7月、両社はJR東日本コンサルタンツとの合弁でCalTaを設立。CalTaでは主に、IBISを用いた狭小空間の画像や点群データの取得サービスと、LiberawareおよびJR東日本コンサルタンツのICT技術をベースに動画や連続写真から生成した三次元データをデジタル空間において可視化するデジタルツインソフトウェアサービス「TRANCITY」を提供している。

 今回の資本業務提携を通じて、LiberawareとCalTaが連携して提供する狭小空間の状態把握、点群データ取得および三次元データ生成サービスの一連のプロセスの精度を向上させ、鉄道・インフラ業界のDXを加速し、建設工事・メンテナンス業務の効率化や生産性向上につながる新たな手法を確立するとともに、デジタルツイン空間の展開拡大とさまざまな用途への対応を目指すとしている。