2023年5月30日、SkyLink Japan(WorldLink & Company)は、日本赤外線劣化診断技術普及協会(以下、JAIRA)、Teledyne FLIR社と共同で、外壁点検業者向けとなるドローン搭載型の赤外線カメラユニットの開発を開始したことを発表した。2023年4月に開発に着手し、6月に検証を開始予定、発売は10月を予定している。

 開発する赤外線カメラユニットは、Teledyne FLIR社製A700をPixhawkベースのGremsy社製T3ジンバルに搭載。SkyLink Japanが独自開発した画像伝送装置を用いて地上で画像をリアルタイムに確認することができる、JAIRAの調査点検要求性能に準じた製品となる。ユニットはドローンの操作系とは完全に独立しているため、ドローン側の設定を変更することなく運用できる。

 SkyLink Japanは、ドローン用無線通信と赤外線カメラ用無線通信との電波干渉を防ぐための無線方式の最適化や、ユニット軽量化に向けた電源部の小型化などの技術開発に取り組んでいる。

 定期報告制度における外壁のタイル等の調査においては、2022年1月の平成20年国土交通省告示第282号一部改正により、高所点検でのドローンによる赤外線調査が進んできている。一方、赤外線カメラの性能による点検データの正確性や業務の生産性には課題があった。そこで同社はJAIRA、Teledyne FLIR社と協力して、調査点検レベル(精度・品質)の向上を目指し、今回の開発に至ったという。また、ドローンの操縦には経験が必要であるため、パイロット派遣サービスも準備している。