2023年6月1日、太陽工業は、三重トヨタ自動車発注のドローン訓練専用施設「モビナビドーム」において膜構造の加工および施工を請け負い、2023年5月に完工したことを発表した。

「モビナビドーム」外観
「モビナビドーム」内観

 ドローンの活用は空撮だけでなく測量や点検、農業などさまざまな分野に広がっている。2022年12月にはドローン操縦の国家資格(無人航空機操縦者技能証明制度)が開始され、これまで禁止されていたレベル4飛行(有人地帯における目視外・補助者なし飛行)が可能になった。同施設では、ドローンの販売とともに国家資格に対応したドローンスクールを運営する。

 今回建築したモビナビドームは、建築面積約900m²、高さ約15mの膜構造建築「フレックスハウス」となる。同社独自の膜構造建築として短工期化・低コスト化を実現した建築工法「フレックスシステム」を採用し、着工から3カ月で完工した。

 フレックスハウスは建物内に柱がないため、ドローンを飛行させる演習施設に適しており、建物の大きさや高さをフレキシブルに設定することができる。

 壁や屋根にはテント素材を採用。太陽光を透過して屋内は明るく、日中は照明が不要となりエネルギー消費を低減する。屋内のドローン演習では照明機材の光が視界を妨げるなどの問題もあり、太陽の光を和らげる膜素材を通した自然光はドローン演習施設に向いているという。

 同社は、近年のドローン演習施設へのニーズの高まりを受け、同施設をドローン演習施設のスタンダードモデルとして検討していくとしている。