2023年5月25日、イームズロボティクスは、新型となる「イームズ式 E600-100型」(以下、E600)の第⼀種型式認証の申請を同日行ったことを発表した。

 なお、安全性・低コストの実現を⽬指す第⼆種型式認証は「イームズ式 E6150TC型」(以下、E6150TC)での認証取得を⽬指し、2023年3⽉に申請済みだという。

第一種型式認証申請機種「イームズ式E600-100型」

「イームズ式E600-100型」イメージ

 第⼀種型式認証申請機のE600は、カテゴリー3運航の承認を得ることでレベル4飛行(有⼈地帯での補助者無し⽬視外飛行)が可能となり、物流ドローンの事業化を見越した本格的な物資輸送利⽤が見込まれる。輸送能力は最大5kg。

 本格的な社会実装に対応するため高い安全性能の実現を目指し、機体にはカーボン素材を使⽤。軽量で高い剛性を持つ構造を備え、各種システムは安全性の向上を目指した設計だという。⼈や家の上空を、多少の天候変化に左右されることなく、安全に荷物を運搬することができるコンセプトのもと開発を進めている。

 また、E600は佐川急便と進めるドローン物流実用化用の機体であり、第三者上空飛行が可能なレベル4飛行により、過疎地や離島での⽣活利便性向上と持続可能な配送スキーム構築を⽬指すとしている。

 物流業界では働き⽅改⾰関連法により運転者の労働環境は改善されるが、現場の運転者が不足する「2024年問題」が懸念されている。現状の輸送⼿段だけでは、山間部や過疎地の物流サービスの品質維持が困難になりかねないことから、同社はドローンを新しい物流手段にすることで、物流課題解決への貢献を図るとしている。

機体仕様(予定)
機体⼨法(全⻑×全幅×全高)約2m×約2m×約0.7m
最大離陸重量24.9kg
機体重量19.9kg
積載量5.0kg
最大飛行速度15m/s
対地高度(最大)150m
最大飛行時間(最⼤積載重量時)20分
機体運用(予定)
運用目途目視外・補助者なし貨物輸送

第二種型式認証申請機種「イームズ式E6150TC型」

 第二種型式認証の申請を行ったE6150TCは、既存のE6150MPを基に再設計を行った6枚羽タイプの物資輸送用機体。ドローン物流実証試験での利用を想定しており、レベル3飛行(無⼈地帯での補助者無し⽬視外飛行)が可能。飛行リスクに最適化した設計を施し、低価格な第二種型式認証機種の実現を⽬指す。

 飛行安定性の高いE6150TCをドローン物流に利用することで、各種検証や運航ノウハウ蓄積がより円滑に実施できるとしており、各実証に対応した機能追加の要望に応じて型式認証の変更にも対応する。

 この機種はカテゴリー2飛行が可能であり、⼆等無⼈航空機操縦士による操縦では⼀部の特定飛行を除き、従来の許可承認を得ずにレベル3までの飛行が可能となる。

 物流⽤途の設計で申請しているが、第三者立ち入りリスクの低い、需要に応じた物資輸送以外の目的への設計変更等も検討している。

「イームズ式E6150TC型」
「イームズ式E6150TC型」運用イメージ
「イームズ式E6150TC型」フライト試験