2023年1月20日、イームズロボティクスは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト(ReAMoプロジェクト)/研究開発項目「性能評価手法の開発」内の「ドローンの1対多運航を実現する機体・システムの要素技術開発」において、「リモートIDを利用したドローンの1対多運航制御システム及び要素技術開発」助成事業に採択されたことを発表した。

リモートID情報を応用することで、飛行中の複数のドローンをクラウドにより一元管理する。

 これまでドローンは、1人の操縦者が1台の機体を飛行させていた。1対多運航とは、1人の操縦者が複数機体を運用することができる効率向上とコストダウンを目指すものである。一方、ドローンの欠点である飛行時間の短さも、複数機体が順番に飛行することで時間を伸ばし役割を果たすことが可能になる。

 複数機体間の通信には、2022年6月20日以降に販売される機体に搭載が義務付けられたリモートIDを活用する。自己位置情報を発信するためだけに使用されているリモートID送信機に、新たに受信機能と測距機能を持たせ、ドローン間で衝突回避しながら、さまざまな用途で活用することを目指すという。

受信機能と測距機能を新たに追加。
RID情報を相互受信することで、群制御(衝突回避等)に役立つと期待される。

 イームズロボティクス社製のリモートID送信機の通信距離は最大で3,500mだが、920MhzLoRaを使った通信で約10kmまでの機体間通信が可能。リモートIDと920MHzLoRaによる自律的な群制御技術を実現することで、より安心で安全なドローン運用が可能になるとしている。

 プロジェクトで使用する機体は、2022年12月に改正された航空法の機体認証制度に適合し、型式認証二種、一種の取得を目指し、第三者上空を飛行できるレベル4も同時に実施する。助成事業は2025年3月までの3年間で、最終的な目標として撮影、点検、警備、中山間地などの目視外飛行を含む物流定期便の運航、災害対応で1対多運航の実装を目指すとしている。

型式認証を取得予定の新型ドローン「E6150」