2023年5月24日、FLIGHTSは、測量向けドローン搭載型LiDAR「FLIGHTS SCAN(フライトスキャン)」が、今夏よりモービルマッピングシステム(以下、MMS)に対応することを発表した。

 MMSへの対応により、車を走らせながら高精度な3次元空間情報を取得することが可能となる。

 MMSとは、車両にLiDARシステムおよびアンテナを組み合わせて搭載し、道路などを移動しながら計測を行い3次元データ(レーザ点群含む)を作成するもの。道路情報については、上空から計測するドローンよりも近くで対象物を計測することで、速やかに質の良い点群データを取得できる。ドローンや航空機と比較して特別な操縦資格や交通規制などが不要となるため、より手軽に道路情報の計測が可能となる。

「FLIGHTS SCAN」のMMSで取得した点群データ

FLIGHTS SCANによるMMSの特徴

 センサーの移動速度や姿勢、位置変化などを計測するINS(慣性航法システム)に着目し、慣性システム開発において長年の実績を持つ米Inertial Labs社の高性能INSを搭載。公共マニュアル基準を上回る性能を有する。

 ドローンやハンドヘルド(手持ち)など複数のプラットフォームとして活用が可能。ドローンによる測量では上空から広範囲を計測し、中でも木々のある山地での計測を得意とするが、飛行制限・禁止エリアや手軽に計測できない地域も存在する。それに対しMMSは、道路を走行しながら対象物に対して横から照射できるため、道路のある場所ではスピーディーで精度が高い測量ができるほか、特別な免許や申請が不要。その一方で、道路がない山地などには適さず、計測可能な範囲が限られる。ドローンとMMSの両方に対応することで、それぞれの利点を生かし、場所に合わせた最適な計測を実現する。

 照射点群数は64万点/秒、その他スペックも業務対応が可能な水準となる予定だ。

ドローンMMS
利点・上空から広範囲を計測
・山地など木々のある場所も高精度に計測
・道路のある場所において高精度の計測を素早く実施
欠点・許可等の申請が煩雑なケースがある・山など道路がない場所での走行が不可
・計測範囲はドローンに劣る