2023年5月9日、通信建設大手のミライト・ワンと、同グループ会社の近畿電機は、水素燃料電池ドローンを共同開発し、2023年3月28日に実施した試験飛行に成功したことを発表した。

 両社は、2022年6月に大阪府が公募した「カーボンニュートラル技術開発・実証事業」に「小型水素容器の充填温度制御式多連型充填システムの開発実証」が採択され、開発・実証を開始。2022年度の開発実証では水素燃料電池ドローンの開発、製造、試験飛行(ヒモによる係留にて3m未満の高さ)を実施した。

ミライト・ワンのカーボンニュートラル技術開発・実証事業採択概要
飛行実験の様子

 ミライト・ワングループでは、ドローンの有人地帯での目視外飛行(レベル4)解禁に伴い、水素燃料電池ドローンの特長である長時間飛行を生かした広域施設警備、災害時を想定した被災状況調査、生活困難地域における物資輸送等の取り組みを、同グループのドローン専門会社ミラテクドローンを通じて進めるとしている。

 今後、低コストでの水素充填を可能とする技術を確立し、社会インフラとしての水素燃料供給網の実現を目指す。

水素燃料電池ドローン機体
水素燃料電池ドローン スペック
ドローン機体総重量21kg
ペイロード2kg
燃料電池メーカーDoosan
出力2.7kW
水素容器メーカーJFEコンテイナー
容量2.8L(水素44g)
圧力19.6MPa
重量2.1kg(バルブ込み)