2022年3月17日、福岡市水道局は九州電力福岡支店と、ドローンを活用した「マルチスペクトルによる水源かん養林保全実証」に関する共同研究協定を締結したことを発表した。

 同水道局では、ダム集水区域内の森林の水源かん養機能(※)を向上させるため、曲渕、脊振、長谷の3つのダム周辺に、566haの水源かん養林を所有し、計画的に間伐や植樹などの整備を行っている。
 また、踏査による点検等により立ち枯れ樹木などを早期に発見し、倒木事故の未然防止に努めているが、広範囲に及ぶため多くの時間と労力を要している。そのため、効率的な点検方法を調査研究し、事業運営のスマート化を目指している。
 今回実証するドローンによる上空からの広範囲な点検が可能となれば、点検業務の効率化と事故防止対策の強化につながる。

 実証実験では、マルチスペクトルカメラを搭載したドローンで水源かん養林を上空から撮影し、樹木の葉の光合成の状況を確認することで、立ち枯れしている樹木の判別が可能かを検証する。研究期間は2022年3月17日から7月29日までとなる。

※水源かん養機能:森林の土壌が降水を貯留し、河川へ流れ込む水の量を平準化して洪水を緩和するとともに、川の流量を安定させる機能。また、雨水が森林土壌を通過することにより、水質が浄化される。(林野庁より https://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/tamenteki/con_2_4.html