2023年4月18日、テムザックは、宮崎県延岡市に最先端のロボット技術を活かした農業の実践拠点として「アグリ研究所」を同月開設したことを発表した。本格始動を前に4月15日、一部の圃場で鉄コーティングした種籾のドローンによる直播を実施した。

播種に使用したドローンと読谷山延岡市長(中央)、髙本陽一アグリ研究所所長(右)

 米は日本の数少ない食料自給品目だが、農業従事者の最も多い割合は65歳以上が占めている(※1)。高齢化・担い手不足、耕作放棄地が拡大する中、省力化・省人化に向けた技術革新が求められている。

 テムザックは、人と共存しながらより実用的な業務を遂行する働くロボット「WORKROID(ワークロイド)」の開発を手がけている。同社のロボット技術を活用して、農業未経験者でも取り組める省力化農業「WORKROID農業」を行うため、今回アグリ研究所を開設するに至ったという。開設に先駆けて同社は2022年12月に延岡市、北浦町農業公社と連携協定を締結している。

 同研究所では、米粉製造に向けた水稲直播栽培(ドローンによる直播、農業ワークロイドを使った耕作・除草・収穫等、水門遠隔管理システム等)に取り組む。少ない労力による稲作を実現することで、耕作放棄地拡大を食い止めるとともに、食料自給率の維持・食料安全保障への貢献を目指すとしている。

※1 2020年時点、農林水産省「農林業センサス」(令和2年)参照

主な取り組み(予定)