2023年3月16日、LOMBYは、スズキと公道走行向けの屋外自動配送ロボットの量産を見据えた共同開発契約を締結したことを発表した。

　2023年4月以降に道路交通法改正案が施行され、自動配送ロボットは「遠隔操作型小型車」として公道での走行が可能になる。一方、普及にはまだ解決すべき課題があり、その一つが機体の製造コストだという。

　LOMBYは、独自の自動積載機能を有した国産配送ロボットの開発を進めており、スズキは電動車椅子やシニアカーを長年開発・販売してきた実績を持つ。今後、高齢化率の高まりとともに両製品の需要がさらに大きくなると予測されることから、配送ロボットと電動車椅子という両分野の機体部品を共通化する開発を通じて製造コストを低減し、国内外で競争力のある製品開発を目指すとしている。

　2022年より共同開発の検討を開始しており、試作初号機となる「LM-R1」はスズキの電動車椅子の駆動部品をベースに、屋外を遠隔操作、屋内は自律走行するハイブリットな機体となっている。

自動配送ロボットLOMBY「LM-R1」

　LM-R1は、屋外では遠隔操作が主体のモデルになり、現状では現場に人がいないと難しい配送作業をリモートワークでも可能にし、より多くの人が配送業務に携わることができる環境を構築する。

　LOMBYが開発を進める安価な低遅延遠隔操作システムと、複数の遠隔操作者が任意のロボットを適宜スイッチングして遠隔操作可能な機能を備える（※1）。ネットワーク環境があれば、どこからでもロボットを遠隔操作することが可能。また、LOMBYでは24時間運航に向けて自律走行型ロボット「LM-A1」も開発中で、2023年度にサービス導入を目指しているという。

※1 新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）の助成事業「⾰新的ロボット研究開発基盤構築事業」の支援を受けて開発を進めている機能。

走行予定

　2023年3月13日～23日は、広島工業大学キャンパスおよび周辺公道において、タワーマンション等の高層ビルへの屋外からの荷物配送を想定し、広島工業大学構外のコンビニから荷物をピックアップして、構内のエレベーターと連携して建物の15階部分への荷物の配送を実施する。なおLOMBYは広島県のひろしまサンドボックスサキガケ事業に採択されている。

　2023年3月21日は、Root、トータテホールディングスとともに東千田公園内において、自動配送ロボットとMR（複合現実）に気軽に触れることができる体験会を実施する。