2022年6月23日、LOMBY社は、DRONE FUNDよりシードでの資金調達を実施したことを発表した。今回の調達により、自動配送ロボット「LOMBY」の開発加速、来年度以降の量産を見据えた体制強化を行うとしている。

 国内外の物流ラストマイルでは、通販サイト利用率の増加に伴い宅配物取扱量は膨らみ、加えてフードデリバリー市場の拡大による配送も増えている。一方、労働人口は将来的に減少していくことから、労働力の確保が課題となっている。

 自動配送ロボットのLOMBYは、遠隔操作と自律走行を組み合わせた遠隔操作サービスを提供する。導入コストも低く、専用の宅配ロッカーと配送ロボットの自動連携により積み下ろしを自動化することで、現場の人手も不要となる。
 ロボット本体は国内で開発しており、国産ロボットと日本の配送システム・慣習を組みわせた配送サービスでの海外展開を目指している。

 LOMBYの開発は、置き配バッグOKIPPAを展開するYperの新規事業として2021年4月にスタートした。機体性能や機構、運用システムにはOKIPPAで得たラストマイル配送効率化への知見を取り入れ、配送現場で実際に導入・活用できるロボット開発を重要視しているという。
 新会社であるLOMBY社での調達にあたり、LOMBY事業については2022年5⽉にYperからLOMBY社に事業継承している。

 2022年4月に国会で可決された道路交通法改正案の中で、自動配送ロボットは「遠隔操作型小型車」として位置付けがなされた。予定通りに施行されれば2023年の4月以降、登録制で公道での走行が可能になる。LOMBY社でも2023年度の公道における商用利用を予定している。

LOMBY プロモーションムービー1(Yper株式会社 YouTubeチャンネル)

各社のコメント

 今回、物流のラストマイル課題解決に挑む内山さん率いるLOMBYに出資を実行いたしました。配送ロボットの領域は大企業も含めて多くの競合がおり、LOMBYは最後発といっても過言ではありません。しかしながら、ラストマイル課題を掘り下げ、社会実装される配送ロボットを広めるのはLOMBYチームだと信じて、満を持して地上配送領域にも着手することにいたしました。DRONE FUNDでは今回のLOMBYへの投資により、陸海空の自律型配送ロボットによるエコノミクス形成、社会受容性の向上をさらに進めていきたいと考えています。

ドローンファンド キャピタリスト 蓬田 和平氏

 2017年のYper株式会社創業から一貫して配送ラストマイルの課題解決に取り組んで参りました。OKIPPAでの再配達削減という解決課題から、配送ラストマイルでの人手不足問題というより大きく、且つ、グローバルな課題に挑戦したく、LOMBY株式会社として新たに自動配送ロボット事業を進めています。今回、次世代空モビリティの発展に尽力されているDRONE FUNDより出資頂けたことは、陸上での次世代モビリティの社会実装を目指す弊社にとって、非常に心強いものでした。業界では最後発ですが、これまでのラストマイル配送サービスの経験をもとに、日本から世界に展開できるラストマイル配送サービスを作っていきたいと思います。

LOMBY代表取締役 内山 智晴氏