2023年3月14日、丸紅は、米国LIFT AIRCRAFT社(以下、LIFT社)が開発・製造する一人乗り電動垂直離着陸機(eVTOL)「HEXA」による有人飛行の実証飛行を、大阪城公園内野球場で実施したことを発表した。屋外スペースにおいて、パイロットが搭乗して空飛ぶクルマを飛行させるのは、日本で初めての取り組みだという。

 実証飛行では、GMOインターネットグループ代表の熊谷正寿氏がパイロットを務め、およそ10分間、上下飛行、直進および緩旋回飛行などを行った。

 この実証飛行は、大阪府が公募した「令和4年度 空飛ぶクルマ都市型ビジネス創造都市推進事業補助金」、および2025年日本国際博覧会協会と大阪商工会議所が公募した「2025年日本国際博覧会に向けた実証実験の実施候補者」に採択されたものとなる。

 空飛ぶクルマの有用性や利便性、新たなビジネスの創出・拡大への期待を発信することで、社会受容性の向上に貢献することを目的として実施。大阪府、大阪市、および大阪商工会議所で構成する「実証事業推進チーム大阪」の支援を受け、計画された飛行パターンを全て成功させた。

 丸紅は、eVTOLの日本市場への展開を目指し、2021年度よりLIFT社と連携している。LIFT社は、2017年に米国テキサス州で創業された1名乗りのeVTOLメーカーで、米空軍と提携し特別プログラムを実施しているほか、2023年より全米25都市で一般向け有償体験飛行の実施を予定している。

 今後両社は、電動で気候変動対策に大きく寄与する空飛ぶクルマの実装に向けた取り組みを加速させ、空の移動がより安全で身近な社会を創造すると同時に、低炭素化・脱炭素化を含む気候変動対策に貢献するとしている。

「HEXA」機体概要
機体サイズ全長4.5m、高さ2.6m
機体総重量/積載量最大488lbs(約221kg)/250lbs(約113kg)
巡航速度20~55kts(約40~100km/時)
飛行時間約10~15分