2023年3月6日、Vertiport開発を行うSKYSCAPEは、韓国でハイブリットeVTOLの機体製造を行うPLANAとMOU(了解覚書)を締結したことを発表した。アジア地域で初となる日本・韓国間のeVTOL国際路線の就航を目指す。

 今後両社は、eVTOLでの国際路線開発に必要な運営基盤やインフラの整備を行うと共に、APAC(アジア太平洋地域)全体での次世代エアモビリティ産業の発展に向けた協業を行っていく。

 PLANAは韓国でも有数のハイブリッドeVTOL企業であり、現在開発を進める機体は500kmの航続距離を実現できる機体として注目を集めているという。この機体によって、これまでのeVTOL機では就航が難しかったルートや、より遠い場所へのアクセスを実現する。

 SKYSCAPEが開発を進めるVertiportは、eVTOLを安全に運用するだけでなく、1つのポートから災害ドローンや点検システムなど、空飛ぶクルマ以外の次世代エアモビリティシステムの運用も行えるという特徴を持つ。
 乗客輸送と機体の維持管理以外のさまざまなユースケースに対応できるシステムを備えることで、ポートオーナーの収益性を確保しながら地域コミュニティのインフラ基盤強化にも貢献できる施設開発を進めている。

 PLANAの機体は数年後にデビューを控えており、両社は協業の第一歩として、日本・韓国からさまざまなステークホルダーを招いてConcept of Operations(業務構想文書:両国間の運行や対象地域のコミュニティへの影響などを詳細に記した仕様書)の作成を予定している。

各社コメント

PLANA CSO共同創設者 Minyoung Ahn氏

 APAC地域で次世代エアモビリティのエコシステム構築に奮闘しているスカイスケープとMOUを締結できたことを嬉しく思います。このパートナーシップでPLANAとスカイスケープはアジア地域で誰もが利用できる新しい空の輸送ネットワークを共同開発し、地域にAAMの価値を知ってもらうべく、共に同じ目標へ向かって奮闘できると信じています。

SKYSCAPE代表取締役 Asa Quesenberry氏

 APAC地域の次世代エアモビリティ業界を牽引する企業と協業でき、これほど喜ばしいことはないと感じています。PLANAチームは素晴らしい機体の開発を進めており、ここ数年で目覚ましい発展を遂げています。

 「AAMを通して社会やコミュニティをより良くしたい」そんな我々と同じ信念を持つ企業が日本だけでなく韓国にもあり、AAMが生み出すメリットを同時に2カ国の皆様にお届けできることを非常に光栄に存じています。