2023年3月10日、eロボティクス茨城と環境ロボティクス協会は、荒川下流域の戸田リバーステーション周辺において、複数の大型産業用ドローンを同時飛行させた場合の動態管理実証実験を行ったことを発表した。福島ロボットテストフィールドの協力を得て、2023年3月2日に国土交通省 関東地方整備局 荒川下流河川事務所と合同で実施した。

 実験には3機の大型産業用ドローンを使用し、「UAV-E6150」は災害時の救援物資、「ALTA X」はメガフォンを搭載し災害時の注意喚起や避難誘導を想定、「HAMADORI3000」は水上をタキシング(※1)し、地上と空で同時に運航した場合の実験も行った。

※1 航空機が地上・水上を走行すること

 無人航空機運行管理システム(UTM)には予めドローンの飛行計画を入力し、機体同士が接近しすぎたり、計画の範囲外へ出た場合などにはアラートが表示される。荒川下流河川事務所の災害対策室を管制室に見立て、UTMの運航管理画面、現場風景、ドローンからのLTEカメラ、荒川河川敷監視カメラの映像をモニターに同時に表示させ、運行状況のチェックを行った。

荒川下流事務所 災害対策室
実証実験の様子

 3月7日には、実証実験に参加した企業関係者が荒川下流河川事務所に集まり意見交換会を実施。飛行の際に必要となる申請・調整などの一元化や、飛行空域が共有される可能性のあるドクターヘリや空飛ぶクルマなど有人機を含めた動態管理の必要性など、さまざまな意見が挙がった。

【実施体制】

無人航空機運航管理システム運用
日立製作所/福島ロボットテストフィールド
飛行通信環境
NTTドコモ「LTE上空利用プラン」
飛行計画等策定・ドローンオペレーション
eロボティクス、カナモト、スペースエンターテインメントラボラトリー
ドローン運航補助・安全管理
アイティーテクノロジーデザイン/田部鉄工エンジニアリング、日本ドローン機構