2023年1月17日、NTTドコモは、2021年に開発した羽根のないドローンを改良し、機体に搭載したプロジェクターによって映像を表示する新型機体「羽根のないプロジェクションドローン」を開発したことを発表した。

 羽根のないドローンは、ヘリウムガスを充てんした風船の浮力によって浮遊し、「空気ポンプ」として動作する超音波振動モジュールにより推進力を得て空中を移動する。超音波振動モジュールは人が触っても安全な微小な振動で動作するため、人や物に衝突しても大きなけがや破損につながる可能性が低いほか、飛行時の音も小さく、イベントや商業施設などの人がいる場所での飛行に適している。

 同社は2019年に初号機を開発し、2021年にはさまざまな色に光らせることや、高解像度の撮影をすることが可能な新型機体を開発してきた。

「羽根のないプロジェクションドローン」が飛行する様子

 今回開発した新型機体は、機体本体が透明フィルムの風船で、機体に搭載した小型プロジェクターによりドローン本体に映像を投影しながら飛行する。さらに、推進力の向上による安定した飛行のほか、投影映像のリアルタイム伝送を実現した。また、従来機と同様にアクションカメラを搭載し、高画質な映像を空中から撮影することができる。

 新型機体はイベントや商業施設など人が集まる場所で上空を飛行して撮影するだけでなく、機体表面に演出や広告、地上のカメラ映像などのさまざまな映像を表示しながら飛び回ることで、新たな空間演出や空中広告を実現するとしている。

「羽根のないプロジェクションドローン」の開発(docomoOfficial YouTubeチャンネル)
映像投影前の機体外観(左)、プロジェクションマッピングと組み合わせた例。背景は別プロジェクタで投影(右)
超音波振動モジュール(左)、機体背面のプロジェクター(右)