米Skydioは、2022年9月29日、大型ハリケーン「イアン」の被害を受けた救援関係者を支援するための取り組みを開始し、社員の派遣やバックアップ用ドローンの提供のほか、被害を受けた救援関係者にSkydioのソフトウェアを無償で提供した。また、救援関係者が必要とするツールを確保するため、24時間365日体制のサポートを開始した。現地の地域担当チームはフロリダ州の公安当局に24時間体制でドローンによる支援を提供し続けているという。

ドローンの活用事例

サニベル島橋のインフラをリアルタイムで監視

 サニベル島に出入りする唯一の道路であるサニベル・コーズウェイは深刻な被害を受けて通行不能となり、フロリダ州当局はその復旧作業に取り組んでいる。Skydioは、フロリダハイウェイパトロールとフロリダ州緊急オペレーションセンターの両組織に、土を盛り上げて作った土手道の状況と進行中の復旧作業の様子をリアルタイムで把握できるよう、日の出から日没までのリアルライム映像をドローンで提供している。この映像により、政府関係者は対処と復旧作業をリアルタイムで確認し、迅速な意思決定を行うことができる。

住宅地での捜索、救助活動

 捜索救助からマッピングまで、さまざまなミッションでSWATチームを支援し、ドローン操縦のサポートやトレーニングに加え、必要に応じてSkydioドローン機器の修理や補充も行っている。Skydioと地元警察は連携してドローンを使ったマッピング・ミッションを実施し、家屋の撤去や人命救助を実施している。
 救助チームは浸水した地域を歩いて捜索する代わりに、ドローンによる上空からの映像で状況を把握できるようになり、生存者を確認した家にリソースを集中させて、より効率的に捜索および救助活動が行える。

マングローブ林での捜索、救助活動

 熱帯地方特有の植物であるマングローブが生い茂る沿岸環境は、徒歩やボートでの移動が困難なため、捜索・救助活動が困難になる場合がある。植物に覆われた環境下では要救助者が見えなくなってしまう。
 SkydioのドローンはAIによる障害物回避機能によって、植物が生い茂る環境下でも捜査活動を実施することができる。これにより、被災者がいるであろう到達しにくい場所の捜索や破壊された残骸の分析、嵐で流されたボート回収などを実行できる。

オンライン・対面式トレーニングの提供

 ハリケーン被害からの復旧・復興作業を支援するため、Skydioはオンライントレーニングツールを提供し、政府機関や組織に対して対面式トレーニングの提供も用意している。引き続き捜索・救助・清掃活動が行われる中、Skydioの地域担当チームは現場に留まり公共安全機関などをサポートする。また、公共安全や企業が直面する可能性のあるドローンにおける問題については、リモートで支援を行う。

Skydio 2+
Skydio X2