プロドローンは、2022年9月29日に三重県伊賀市で行われた「自動運用型ドローンによる不法投棄監視法の実証実験」に参加し、オペレータが操縦することなく事前にルート設定等を行った自動運用型ドローンと、地表データの処理システムによる自動検知機能を検証した。

 三重県では産業廃棄物の不法投棄が後を絶たない現状を踏まえ、不法投棄の早期発見や抑止効果が期待できるドローンによる監視手法の検討を進めている。

実証に使用した「PD4B-M」

 実証実験では、県庁会議室からの指示により自動運用型ドローンが離陸、リアルタイムに県庁へデータ送信を行いながら、およそ数km離れた60ヘクタールのエリアを30分弱の時間で調査した。

 検知のためのデータ処理エンジンは、不法投棄検知に特化したパラメータを用いたフィルタリングによる畳み込み層と、同様に自然地物を基準としたプーリング処理を実装し、学習が難しい映像において効率的な検知を実現する。

 今後、さらにその検知結果を汎用のAIに入力することで、誤検知の低減と検知精度の向上を目指すとしている。

モニターで産業廃棄物に見立てた箇所を発見して、モニター上で赤く点滅

各者コメント

三重県廃棄物監視・指導課 池田克弥 課長補佐

 今回の監視範囲は60ヘクタール、東京ドーム13個分の広さを30分の飛行で終了し、ドローンによって効率的に監視をすることができました。不法投棄の監視活動にドローンが使えないかという実証実験なので、実現可能性や実装に向けた課題を検証することが目的です。今回の実証内容を踏まえ、今後も導入の検討を進めていきたいと思っています。

プロドローン 常務取締役 市原和雄 氏

 本実証で使用した「PD4B-M」は、今までのニーズや新たなシーズを反映しながらも、シンプルな構成で長時間飛行できる機体です。日本の環境における風雨への必要十分な耐性を持ち、また、新しい画像解析の試みを加えることでより付加価値の高い製品にすることができると考えています。