KDDIは、2022年8月29日より、GNSSによる高精度位置測位情報配信事業を行うジェノバと連携し、誤差数センチメートルのリアルタイム位置測位が可能な高精度位置測位情報配信サービス「KDDI高精度位置測位サービス(VRS-RTK)」の提供を法人向けに開始する。

 従来は作業進捗確認に専用機器を用いて位置を計測する必要があった土木工事などの作業現場において、同サービスとスマートフォンやドローンなどのデバイスを組み合わせて利用することで、高精度な位置測位が容易に可能となる。建設業・農業・自動運転・防災・防犯・災害復旧・インフラ点検などでの活用を見込む。

「KDDI高精度位置測位サービス(VRS-RTK)」のイメージ

 同サービスでは、高精度位置測位のための補正情報をインターネットを通じて配信する。配信された補正データと顧客のGNSS受信機で観測したデータを組み合わせ、リアルタイムに誤差数センチメートルの高精度位置測位を実現する。

 物理的な基準局の観測データを利用するRTK(Real Time Kinematic)方式においては、利用する基準局からの物理的な距離が測位精度の重要な要素となる。同サービスでは、国土地理院が全国に設置する約1,300点の電子基準点網のデータをリアルタイムに収集・解析した仮想的な基準局を利用者の近傍に作成するVRS(Virtual Reference Station)方式により、近傍に物理的な基準局がなくても、作成した仮想的な基準局を利用することで精度の安定した誤差数センチメートルのリアルタイム測位を実現する。

 スマートフォン連携では、Pix4Dの「viDoc RTK rover」「PIX4Dcatch」、オプティム「スマホ3次元測量アプリOPTiM Geo Scan」(予定)、ライカジオシステムズ「Leica Zeno Connect、VGIS AR」「Leica Zeno FLX100」(予定)に対応。ドローン連携では、遠隔自律飛行に必要な基本ツールをまとめたKDDIスマートドローンの「スマートドローンツールズ」に対応する。今後、対応デバイス・サービスは順次拡大するとしている。

KDDIスマートドローン「スマートドローンツールズ」イメージ