2022年7月18日、SkyDriveは、電動航空機向けの高出力かつ認証可能なパワートレイン等の大手プロバイダーで、多数のバッテリーシステムを提供する米国のElectric Power Systems, Inc(以下、EPシステムズ)を、空飛ぶクルマ「SD-05」用バッテリーシステムの設計、開発、および製造パートナーとして選定したことを発表した。

 2019年に空飛ぶクルマの有人飛行に成功し、現在2人乗りの機体を開発しているSkyDriveは、2025年に大阪ベイエリアにおいて、現在型式証明を申請中の2人乗り機体「SkyDrive式SD-05型機」(SD-05)を利用したサービスの開始を目指している。

 同機を開発するにあたり重要となるのが、高出力なバッテリーシステムだ。EPシステムズは、米国航空宇宙局(NASA)のX-57機をはじめ、ボーイング社の子会社Aurora Flight Sciences社のPegasus機、その他多くの航空機メーカーへ飛行実証機用バッテリーシステムを提供している。同社は現在、米国連邦航空局(FAA)と提携して一般航空機用バッテリーの認証を行っており、2023年に最初の技術基準書(TSO)の基準を満たす予定だという。

 EPシステムズは、電動航空機用の高出力パワートレインのプロバイダーとして、航空宇宙、防衛、自動車、船舶、産業用トラクション業界向けにエネルギー貯蔵システムやDC急速充電ステーション、電気推進製品を開発している。

 ボーイング社とサフラン社は、EPシステムズの提供する「EPiCバッテリーシステム」の開発および増産のため、2019年と2021年にEPシステムズに投資している。EPシステムズの現在の顧客および公表されている顧客には、NASA、FAAのほか、ボーイング社、サフラン社、ベル・テキストロン社、エンブラエル社、ダイヤモンド社等が含まれている。

 SkyDriveはSD-05機体向けに、EPシステムズの電池モジュール、電池管理システム、安全装置を含むEPiCバッテリーシステムを採用。2025年に大阪ベイエリアで空飛ぶクルマによるサービスを開始することを目標に、引き続き機体開発を進めるとしている。

各社コメント

 当社は、SkyDrive社が目指す空の移動革命を推進する一員となることを大変嬉しく存じます。今後、SkyDrive社のチームと協業していくことを楽しみにしています。

Electric Power Systems, Inc. CEO ネイサン・ミリカム氏

 EPシステムズ社は、私たちの2人乗り機体「SD-05」の開発に不可欠な要素である、バッテリーシステムの理想的なパートナーです。高性能で信頼性の高いバッテリーシステムを開発するプロフェッショナル集団である彼らに、弊社の機体の型式証明取得や事業開始に向けてサポートいただけることを大変心強く思います。

SkyDrive CEO 福澤知浩氏