2022年6月16日、マンション大規模修繕工事を主業とするセラフ榎本は、AIを用いて外壁の劣化を検出する「外壁劣化検出AIシステム」のプロトタイプを開発したことを発表した。
 同社では2019年よりドローン外壁調査診断事業に注力しており、100件以上のドローン調査で得た画像データをもとに、AI解析技術を開発した。

 外壁の劣化状況はこれまで人が解析していたが、撮影データが膨大で時間がかかることや、見落としのリスク、解析者によるばらつき等の課題があった。AI解析システムを導入することで、解析労力削減による低コスト化、解析の迅速化が期待できる。

<AI解析を用いた外壁劣化状況診断の手順>
1. ドローンで建物の外壁タイル面を撮影する。
2. 撮影した画像を「外壁劣化検出AIシステム」ソフトへ転送し解析する。
3. AIにより解析済みの写真をプロの検査員がダブルチェック。

 劣化状況を確認したい写真をAI解析ソフトへ取り込むだけで外壁劣化箇所を検出。解析後の画像には劣化の種類ごとに色の異なるマークが付くため、ひと目で劣化を判別できる。これにより、解析労力削減による低コスト化や報告書の短納期化を図り、さらにAIと人間がダブルチェックすることで、より精度の高い外壁調査診断サービスを提供する。

 今後同社は、今回完成したプロトタイプを試験的に導入しながら継続的にAIの改良を行い、精度の向上を目指すとしている。

AI外壁劣化検出の流れ
解析する様子
AI解析結果