2022年3月30日、ACSLと石川エナジーリサーチは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下NEDO)の「安全安心なドローン基盤技術開発」事業において開発したフライトコントローラーとGCSを、石川エナジーリサーチが開発したドローン「ビルドフライヤー」へ統合することに成功したと発表した。

 フライトコントローラーはドローンの制御を担う部位で、GCS(Ground Control Station)は、ドローンの飛行を地上からコントロールするためのソフトウエアである。

NEDOの事業成果を統合した「ビルドフライヤー」

 NEDOは、2020年4月から2021年11月まで「安全安心なドローン基盤技術開発」に取り組み、データの漏洩や抜き取りの防止、機体の乗っ取りへの耐性を実現する高性能な小型ドローンの開発を推進してきた。ACSLは同事業のコンソーシアムリーダーとして、フライトコントローラーを含む標準基盤設計・開発を進め、その成果として2021年12月にセキュアな小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」を発表し、フライトコントローラーのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)および主要部品の接続仕様をコーポレートサイトにおいて公開した。APIは、プログラムやソフトウエアの機能を共有する仕組みのことで、APIをインターネットに公開することで、国内外の事業者にサービスを提供することが可能となる。

 石川エナジ―リサーチとACSLは、同事業で公開されたAPIをもとに、インフラ点検や防災・災害現場で使用される石川エナジーリサーチのビルドフライヤーにフライトコントローラーおよびGCSを統合する実証を重ね、今回の成功に至った。