2022年3月18日、ヤマハ発動機は、農業用ドローン開発からサービス供給までの一貫したソリューションを提供するブラジルのスタートアップ企業「ARPAC INDÚSTRIA DE AERONAVES S.A.(以下、ARPAC)」に出資を行ったことを発表した。

 この出資は、CVC活動を行うグループ会社Yamaha Motor Ventures & Laboratory Silicon Valleyの活動を通じて実現したもの。ヤマハ発動機は、ブラジルでの農薬散布事業における知見やネットワークの取得が期待できるとともに、将来的にブラジル以外の国への展開も見据えたグローバルな農業ビジネスの基盤づくりを目指すとしている。

サトウキビ畑に農薬を散布するARPACのドローン

 世界有数の食糧庫であるブラジルでは大規模農場を中心に、ドローンを使った農薬散布などのスマート農業市場が急速に拡大している。2014年にブラジルのポルト・アレグレ市で設立された農業用ドローンサービス企業のARPACは、サトウキビや大豆、コーヒーなどの農場における自社開発ドローンによる生育監視と、その分析結果に基づいた農薬のスポット散布を強みとしている。ドローン開発からサービス供給まで一貫したソリューションを提供する。

 ヤマハ発動機は産業用無人ヘリを活用して、水稲を中心とした30年以上の農薬散布機事業の展開、火山の噴火や土砂崩れなどの災害現場の観測、山間部の送電線鉄塔のメンテナンス資材の運搬などを提供してきた。近年は衛星写真の解析を通じた効果的な農薬散布を目的としたスマート農業の開発も行っている。