2022年3月17日、ナイルワークスは、同社が保有するドローン高精度位置制御技術とAI・ディープラーニングによる「イネいもち病の検出技術」を確立したことを発表した。

 同社は持続可能な農業の実現に向け、クミアイ化学工業との共同研究により、イネいもち病の検出技術の開発に取り組んできた。

 ドローン高精度位置制御技術とAI・ディープラーニングにより、これまでのドローンによる病害診断で捉えることのできなかった最小5mm程度のイネいもち病の病斑を検出することに成功した。

画像データを取得するナイルワークスの農業用ドローン

 同技術では高精度位置制御技術と完全自動飛行技術を応用して、圃場全面で高精細な画像データを安定的に取得し、ディープラーニングにより検出の正確性を高めている。人間の目視による検証と比較した結果、誤差は1%未満だという。
 今後、同技術を他の作物や病害虫にも展開し、検出技術の向上を図るとしている。

 ナイルワークスでは病害虫の検出結果をもとに、農薬の適正散布と散布量を低減する散布方法の実用化を目指している。同社が保有する約1万haの近接画像データ等を「NileBank」(農地データプラットフォーム)に集約し、農業用ドローンといった自動農機との連携を強化していく。これにより作業時間や資材費の削減、生育ムラの改善による品質・収量向上が期待される。
 データと自動農機がシームレスにつながることで、生産力向上と持続性の両立を可能とする新たな農業を提案していくとしている。