2021年1月14日、住友商事、ダイハツ工業(以下ダイハツ)、三井住友ファイナンス&リース(以下SMFL)の3社は、農業用ドローンの設計・製造・販売を行うナイルワークスの第三者割当増資を引き受けたことを発表した。住友商事は2017年、2019年に続き3回目、ダイハツ、SMFLは初の増資引受となる。

 今後、住友商事、ダイハツ、SMFLは、各社の知見・技術を持ち寄り、他の既存株主とともにナイルワークスを多面的に支援していくとしている。

宮城県登米市におけるドローンでの一斉防除時の様子。ナイルワークスは2020年に延べ約2,000ヘクタールでの飛行を実施し、シェアリング(共同利用)モデルの検証を実施した。

 日本では、農業従事者の高齢化や後継者不足といった課題を背景に、ドローンやロボット、ICTなどを活用した農作業の省力化や品質管理の効率化が求められている。2030年には、アグリテックと呼ばれるテクノロジーを駆使した農業の国内市場規模は7,000億円、農業用ドローンの市場規模も1,000億円超と成長が見込まれる。

 ナイルワークスは「空からの精密農業」を掲げ、完全自動飛行する農業用ドローンの開発、およびドローンに搭載した専用カメラによる生育診断を軸とした農業のデジタル化を推進している。農業の負担や工数を出来る限り減らし、農業従事者がより安全で美味しい作物を低コストで生産出来る仕組みをつくり、日本の農業を世界の最先端レベルに導くことを目指している。

 今後、住友商事は幅広い業界から蓄積した事業経営ノウハウを活用し、ナイルワークスの成長を促進する。ダイハツは農家に軽トラックを活用してもらっており、クルマづくりで培った知見・技術を生かし、ハード・ソフトの両面でナイルワークスを支え、農家に役立つソリューションを提供する。SMFLはリース・ファイナンス機能を生かし、農業生産現場のニーズに適合したリースなどのファイナンスプランの展開で農業用ドローンの普及を支援する、としている。

株式会社ナイルワークス 概要

設立 :2015年1月
所在地 :東京都渋谷区西原三丁目1番7号
代表者 :代表取締役社長 永田幸生
事業内容 :農業用ドローンの設計・開発・製造・販売、生育診断技術・栽培技術の研究開発、農業クラウドサービスの開発・販売
URL https://www.nileworks.co.jp/