2021年11月30日、オプティムは、圃場別デジタル解析による適期防除が可能な「ピンポイントタイム散布」サービスの提供を開始すると発表した。同社の生育予測技術や病害虫発生予察技術、ドローン防除の知見を組み合わせて、最小限の農薬で最大の防除効果の実現を目指す。

 同サービスは離島などを除いた日本全国で提供し、平地のほか中山間地でも利用が可能。対応面積は10haから上限はないため、地域全域といった大規模散布にも対応する。料金は、2021年内の相談に限り1haあたり1万5,400円(税込)から。2022年1月以降は1haあたり1万6,500円(税込)からとなる。

 一般的な農薬散布代行サービスでは、サービスの対象となるのは散布作業の部分のみだが、同サービスでは資材の決定や注文情報のデジタル化、委託パイロットの選定、散布日の決定まで全ての作業にトータルで対応する。

 作物の生育予測技術を活用することで、生育ステージを予測できるため、最適な散布日を手軽に予測。その結果をもとに散布スケジュールを組むことで、パイロットの調整をスムーズに行える。

 これまでの農業事業で培ってきたドローンのノウハウをパイロット育成に活用し、各地域でパイロットを育成。地域内で運用できる体制の構築を行う。

 無人ヘリの導入が困難な中山間地にも対応する。また、ドローンは無人ヘリよりも安価なため、平地における防除では台数を増やすことで効率を落とさず散布することができる。

サービスの特長

 提供対象はJA・農業共済・自治体などの団体、営農組織のほか、個人生産者などの少量発注にも対応する。知人などと合わせて地域での散布面積を増やすことで、費用を抑えることも可能だ。

 生産者の取りまとめを行う団体は地域一斉で行う共同防除の中での利用や、すでに共同防除体系がある地域では中山間などドローンの適性が高いエリア限定で活用することもできる。新たに共同防除の体系を立ち上げたい場合は同社が支援する。

 ドローンでの薬剤散布が可能な作物であれば、一部圃場での実験散布から提供を行う。

提供対象

 オプティムでは、病害虫が検知された箇所に農薬を散布する「ピンポイント農薬散布」や、追肥が必要な箇所のみに必要な量の追肥をおこなう「ピンポイント施肥」を展開し、農薬や肥料の使用量を削減してきた。その中で、無人ヘリなどの共同防除で適期に農薬を撒けていないという課題があったという。そこで、生育予測技術と病害虫発生予察技術による防除の適期判定と、ドローンパイロットシェアリングサービス「DRONE CONNECT」の「ドローン農薬散布防除サービス」による散布ノウハウを組み合わせ、ピンポイントタイム散布サービスを開始するに至った。

 また同社は、業種・用途を横断的に提供してきたDRONE CONNECTを、ピンポイントタイム散布に統合するとしている。

ピンポイント散布シリーズ


▼「ピンポイントタイム散布」サービス(オプティム)
https://www.optim.co.jp/agriculture/services/pts