2021年10月20日、ブイ・アール・テクノセンター(以下、VRテクノセンター)と日立国際電気、オプティムの3社は、ローカル5Gを活用した小型ドローンの屋内実証実験を今月から実施することを発表した。

 現在普及している高精細なドローンの撮影映像は、ドローン本体に記録した動画を着陸後に取り出して再生することが一般的である。同実証実験では、人が現地で実施している定期的な設備の巡視点検をローカル5Gと小型ドローン等で代替し、高精細な映像をリアルタイムで確認することで異常の早期発見や故障の未然防止を目指す。

 具体的には、工場設備に見立てた屋内を自律飛行型ドローンで撮影し、その映像をローカル5Gで無線伝送する。これにより、事務室で工場設備の状態を高精細な映像で確認できるようになる。なお、ローカル5Gおよび屋内自律飛行型ドローン等を同時活用した屋内でのインフラ確認実証実験は、日本初の取り組みだという(VRテクノセンター調べ)。

実証実験の概要

 テクノプラザ本館(岐阜県各務原市)において、自営で構築できる第5世代移動通信システムであるローカル5Gと屋内自律飛行型ドローン等を活用し、スマート保安(※1)推進に向けた実証実験を行う。

※1 国民と産業の安全の確保を第一に、技術革新やデジタル化、少子高齢化・人口減少など経済社会構造の変化を捉えながら、産業保安規制の適切な実施と産業の振興・競争力強化の観点に立って官・民が行う、産業保安に関する主体的・挑戦的な取り組みのこと。(スマート保安官民協議会「スマート保安推進のための基本方針」より)

1. ローカル5Gを用いた高速大容量で安定したデータ伝送

 ローカル5Gを活用することで、低コスト・面的なネットワークを構築でき、かつ高速大容量に対応できる。また自営の無線により安定したデータの伝送、セキュリティレベルの高いネットワークを実現する。

2. ドローンが撮影した映像による遠隔インフラ確認

 現在、工場での設備の巡視点検は多くの労力と時間を要している。設備点検をドローンで行う場合、高精細な画質が必要になる。4Gでは通信速度や通信容量が足りず、遠隔リアルタイム監視を安定して行うためにローカル5Gを使用する。

実証実験の概要図

<各社の役割>

VRテクノセンター :実験環境構築、実証実験
日立国際電気 :ローカル5G/プライベートLTEネットワークのシステム提供、電波伝搬の技術実証サポート等
オプティム :屋内自律飛行型ドローンのリアルタイム映像転送のローカル5Gシステムとの連携