2021年6月30日、エアロダインジャパンは、A.L.I. Technologies(以下A.L.I.)と、太陽光・風力発電の再エネ分野でのドローン点検およびクラウド型アセット管理ソリューションサービスを開始すると発表した。

 エアロダインは、DaaS(Drone as a Service)ソリューションをグローバルに展開し、世界基準のドローン点検メソッドを確立している。また、SaaS(Software as a Servce)ソリューションとして、ドローンから収集した情報を管理・解析するオリジナルクラウドサービス「vertikaliti(ヴァーティカリティ)」を展開している。これらのソリューションにより、高い精度の点検・モニタリングデータを短いオペレーション時間で価格を抑え提供している。

 A.L.I.は、無人地帯での目視外飛行(レベル3)のソリューションと、ドローンを含むエアモビリティ市場におけるコア特許である、空のインフラ特許によって、飛行区間の定義から決済まで複合的に知財化。これらに基づき運航管理システム「C.O.S.M.O.S(コスモス)」を開発している。また、ドローンオペレーターネットワークを構築しており、日本全国で対応が可能だ。

 両社は国内外のドローン点検のニーズに応えるため、オペレーターネットワークの相互補完できる形でアライアンスを組んでいる中、より具体的な協業を開始する。

A.L.I.の空のインフラ特許:空中(低空域)において管制システムと通信し、飛行経路や各種情報を相互または一方的方向で伝達、管理、制御、認証、登録、決済等(外部データ利用含む)を行うインフラシステムに関する特許。

 両社は太陽光パネルや風力発電設備に加え、今後増加が見込まれる洋上風力発電設備の点検も視野に入れ、再エネ分野の点検ソリューションを展開していく。そして、DaaSからSaaSへと繋げ、ロボット化、DX化を社会に実装し、課題解決に向けた複合サービスを創出していく、としている。

 ドローンによる点検は、O&M(オペレーション&メンテナンス)でカバーしている領域のほんの一部にしかならないため、既存のO&M業務を代替するというよりも、共存しながらシナジーを生み出し、同業務で最も使いやすいサービスとなることが求められる。
 コンソーシアム型でメンバーを募ることで、日本の再エネ業界におけるデファクトスタンダードとなるサービスを構築していきたい、との方針を示した。

両社コメント

A.L.I.代表取締役社長 片野大輔 氏
「エアロダインは海外市場で7,000基にものぼる風力発電や5Gw以上の太陽光発電を点検しております。こと風車においては、日本国内では2,300基程度しか存在しないため、日本のドローン事業者単体ではここまでの実績や経験を積み上げることは出来ません。そこで、エアロダインのこの実績に裏付けされた点検メソッドをもとに、日本の再エネ業界の皆様が利用しやすいサービスを提供してまいります。」

エアロダインジャパン代表取締役社長 伊藤英 氏
「再エネ分野における弊グループの取り組みでは、中東での1Gw級の太陽光発電所や、欧米地域での100機以上の風車を保有する風力発電所など、大型の発電所を中心に点検サービスを展開しておりました。日本市場においては海外と比べると大型の発電所が少なく、お客様がドローン点検によるスケールメリットを享受し辛い状態です。そこで、日本全国にオペレーターネットワークを誇るA.L.I.社と共同でサービスを提供することで、中小規模の発電事業者にも導入しやすい価格で、大型発電所が導入している同様のサービスを提供していければと考えております。」