2021年5月10日、マレーシアのエアロダインは、リアルテックホールディングスが運営するリアルテックグローバルファンド、KOBASHI HOLDINGS、自律制御システム研究所(以下ACSL)を引受先とした第三者割当増資を実施したことを発表した。これにより精密農業を実現するサービスの構築、および日本市場での事業拡大を目指す。

 エアロダインは2014年の設立以来、ドローンを活用したインフラの点検・モニタリングサービスを展開してきた。こうした既存事業の強化に加え、新たに農業分野への進出を本格化している。米・パーム・パイナップル等のプランテーション型農業が一大産業となっている東南アジアでは、労働集約的で環境負荷が高い農法が多く、その効率化のポテンシャルは大きいとされている。エアロダインはドローンを活用して農作物の健康状態や収穫量をモニタリングし、取得したデータを活用した精密農業のサービス構築を目指している。既にマレーシアの企業数社と実証実験を開始しており、2022年以降にはインド、インドネシア、タイにも展開予定だ。

 また2020年11月、ACSLとエアロダイン日本法人のエアロダインジャパンは、法整備が進む有人地帯上空での目視外飛行(レベル4)に向け、ASEANにおいて連続飛行試験が実施できる体制作りに取り組んでいる。その一環として、12月よりマレーシアにおいて、ACSLの産業用ドローン「ACSL-PF2」「Mini」による1,000時間の連続飛行試験を実施。これによりレベル4の実現に重要となる、十分な飛行時間やリスクレベル評価、安全性・信頼性を示す基礎データを取得する。なおACSLが昨年12月に設立したコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)において、初めての出資となる。

マレーシアでの連続飛行試験の様子

各社コメント

エアロダインCEO カマルル・A・ムハメド氏
 新たな戦略的パートナーを歓迎するとともに、これから一緒に歩みを進めることを楽しみにしております。リアルテックファンド、KOBASHI HOLDINGS、そしてACSLの3社との連携により、現在我々が新たに注力している農業分野でのサービスの成長や、日本市場でのさらなる事業拡大に弾みをつけることが出来ると信じております。また、本連携を通じて、弊社が所有するドローンやソフトウェア、AIのテクノロジー領域の発展を、さらに次のステップへと導いてくれると考えております。リアルテックファンドが掲げる、地球や人類の課題解決が出来るイノベーションをサポートするという経営哲学は、弊社の理念と同様であり、これからの協業を楽しみにしております。

リアルテックホールディングス 藤井昭剛ヴィルヘルム氏
 エアロダインはカマルル・A・ムハメドCEOの強いビジョンとリーダーシップの下、僅か数年間で業界のリーディングカンパニーまで昇り詰めている、マレーシア期待の星です。同社のドローンソリューションは、より多くの人々に強靭で安価な社会インフラを提供する他、持続可能な農業の普及に寄与するなど、SDGsの目標達成に大きく貢献することを期待しております。

 また、当社の関係会社であるリバネス社と多方面のプロジェクトにおいて連携するなど、エアロダインはかねてから日本市場への強い興味関心を示しておりました。今回の資金調達は、日本市場進出および将来的な東京証券取引所での上場を検討するための戦略的な調達となっており、当社としてもマレーシアと日本のベンチャーエコシステムを接続する象徴例として、全力で支援して参ります。

ACSL代表取締役社長 兼 COO 鷲谷聡之氏
 エアロダインが築いてきたドローンサービスプロバイダーとしてのグローバルでの確固たる地位は、当社としても大変魅力的です。

 当社は2020年11月より、エアロダインの日本法人であるエアロダインジャパン社と連携してドローンの飛行試験を実施しており、当社ドローンの開発になくてはならない存在となっております。今回の出資を通して両社の連携をさらに強化することで、ドローンの社会実装がますます進んでいくことを期待します。

KOBASHI HOLDINGS代表取締役社長 小橋正次郎氏
 エアロダインのドローンソリューションが、農作物の収量および品質の向上を図り、環境負荷と農作業者の負担を軽減することで、サステナブルな農業の普及に大きく貢献することを期待しております。当社の農業機械メーカーとして培ってきたリソースによって、同社の新たな農業分野・日本市場への進出を支援することで、アグリテックの次なる未来を牽引し、日本の農業の進化に寄与して参ります。