2021年5月21日、マレーシアのドローン・ソリューション・プロバイダー企業 Aerodyne Group(以下エアロダイン)は、国営タイ石油開発公社の子会社 AI and Robotics Ventures Company Limited(以下ARV社)、Digital Creation Co.(以下DC社)と、合弁会社「AeroSky. (Thailand) Company Limited」(以下、AeroSky)を設立したと発表した。資本構成はエアロダインが34%、ARV社とDC社がそれぞれ33%となる。

 Aeroskyは、ARV社のドローンやAI・ロボットソリューション分野の専門知識、エアロダインのドローン分野における高いオペレーション技術とSaaS(Software as a Service)型アセットマネージメント統合ソリューション、DC社の機械学習・モニタリング技術を組み合わせ、通信、電力、石油・ガスなどのインフラ主導型産業の顧客にサービスを提供する。インフラの点検・監視を高品質でより早く、低コストで行うことができ、通常は足場が必要な高所作業のリスクを軽減する。

各社コメント

エアロダインCEO カマルル・A・ムハメド氏
 IMD(国際経営開発研究所:International Institute for Management Development)が発表した調査結果によると、タイは依然としてインフラが十分に整備されておらず、インフラの質にも向上の余地があるとされています。一方で、老朽化した社会インフラ資産を所有する行政や民間事業社にとっては、将来的に社会インフラ基盤が整う日がくるまで、現在のインフラ資産が最適なレベルで稼働し続けられるように維持・保全することが急務となっています。我々の合弁会社であるAeroSkyは、より速く、よりコスト効率の高い、そして多くの点でより安全なインフラ資産管理と検査のソリューションを提供することになります。

ARV社ゼネラルマネージャー Thana Slanvetpan博士
 ARV社は、エアロダインおよびDC社とのエキサイティングなジョイントベンチャーに参加できることを嬉しく思います。Aeroskyは、3社のパートナーが持つ業界や技術に関する深い専門知識と確立された実績を基に、検査・モニタリングサービスを次のステージへと進化させます。AeroSkyの顧客は、業界固有のニーズを満たすスマートなドローンやプラットフォームを開発し、広範な市場ネットワークを持つARV社の能力から恩恵を受けることになります。このジョイントベンチャーは、タイ市場での価値をさらに引き出すためのフォーラムとしても機能するでしょう。

DC社CEO Thanarat Leetrakul氏
 AeroSkyは、無人航空機業界の複数の分野において、持続可能な強い競争力を持っています。エアロダインには、拡張性のあるイノベーションパートナーがいます。また、ARV社の自社グループに定量的な利益をもたらし、ニーズに即座に応えることができるパートナーがいます。私たちは、この3社によるベンチャー企業に、販売・マーケティングと製品のローカライズの両方のノウハウを提供したいと考えています。

エアロダインジャパン代表取締役社長 伊藤英氏
 JETROが発表した「タイ日系企業進出動向調査2020年」によると、昨年の段階で5,856社にものぼる日本企業がタイに現地法人を開設しています。東南アジアの流通ハブとして、数多くの工業団地が作られ、中にはアマタシティ工業団地やWHAなど、日本企業がディベロッパーとして開発をしている工業団地もあります。過去にも日本企業からタイ国内でのプラントや工場の点検などのお問い合わせをいただいておりましたが、この度のAeroSky合弁会社の設置により、より日本企業の皆様にとって使いやすい存在となれることを嬉しく思います。