2020年12月14日(マレーシア)、エクスプレスサービスプロバイダーであるDHL ExpressとマレーシアのAerodyne Group(以下エアロダイン)は、ドローン技術の商業的実用化を評価すること、および生命科学や海上サプライチェーンでドローンを活用したビジネスモデルを構築することを目標に業務提携契約を締結したことを発表した。

左:カマルル・A・ムハメッド氏(Aerodyne Group Founder and Group CEO)、右:ジュリアン・ネオ氏(Managing Director, DHL Express Malaysia & Brunei)

 世界的なパンデミックの影響によりラストマイル配送の課題はさらに深刻化しており、物流環境の変化に対応することがこれまで以上に急務となっている。ドローンなどのUAVテクノロジーによって、遠隔地や陸上から船舶までを結ぶ非接触型の自動配送サービスが実現する可能性が見込まれる。

 両社はパートナーシップを構築するにあたり、東マレーシアにおける医療関連物資の輸送課題の改善ニーズや、マラッカ海峡を航行する船舶へ必需品の輸送を行うニーズがあることを確認しているという。

 例えば、マレーシア・サバ州では農村部と都市部を結ぶ道路がないため、村人がワクチンや薬をタイムリーに入手するのが難しいという課題がある。ドローンはこのインフラのギャップを克服し、地形に関係なく荷物を送ることを可能にする。また、ハイスピード、ローコスト、安全性に加え、ドローンはトラックやボートなど従来の輸送方法に比べて二酸化炭素排出量を大幅に削減することができると考えられている。

各社コメント

DHL Express Malaysia and Brunei マネージングディレクター ジュリアン・ネオ氏
 「第四次産業革命は、多くの産業におけるデジタルトランスフォーメーションと物流業界の変化の速さを背景にしております。常に進化する需要に対応し、将来に備えたサプライチェーンを確保するためにも、我々には常に革新的なアプローチが必要とされています。ドローンとロボティクスは重要な役割を果たすことができると考えております。ドローン技術はロジスティクスの未来、特にマレーシアの企業にとって重要な役割を担っています。弊社のデジタルトランスフォーメーションの取り組みの一環として、私たちは新しい技術とその実用的な運用方法に積極的に関心を持ち、サービスを提供する地域社会の多様なニーズをサポートできるようにしています。エアロダイン社とのパートナーシップは、弊社のサービスポートフォリオの中でドローンによる配送を現実のものとするための大きな一歩となります」。

エアロダイン CEO カマルル・A・ムハメド氏
 「世界中でドローン配送事業の立ち上がりが起きている昨今、ドローン配送サービスをマレーシアおよびその他の国々で技術的にも商業的にも実現可能なものにするため、DHL Expressとの本パートナーシップを締結できたことは時宜(じぎ)を得たものであると考えております。AIを活用したソリューションと革新的なデータ分析を活用した大規模なオペレーションの実績のある弊社は、あらゆる分野の企業の事業拡大とデジタルトランスフォーメンショーンに貢献することが可能です。このコラボレーションは、ドローンサービスに関する規制についての政策提言を行う弊社の活動を強化し、弊社の先進的なドローンとデータ技術の躍進にさらなる拍車をかけることになるでしょう」。