2020年11月9日、エアロダインジャパンと自律制御システム研究所(以下ACSL)は、今後法整備が進む有人地帯上空での目視外飛行(レベル4)を見据え、連続飛行試験が実施できる体制をASEANにおいて構築する連携を開始したことを発表した。

 レベル4環境下での飛行を実現するためには、十分な飛行時間やリスクレベル評価、安全性・信頼性を示すための基礎データが重要になる。その第一弾として、ACSLの産業用ドローン「ACSL-PF2」および「Mini」について、1,000時間におよぶマレーシアでの連続飛行試験を実施する。

中型ドローン ACSL-PF2
小型ドローン Mini

 これによりACSLは、物流・インフラ点検・災害領域で用いられる産業用ドローンにおける大規模なデータの構築が可能となり、フライト時間の確保と、よりセキュアで信頼性の高いドローンの開発に繋げる。また、飛行試験をマレーシアで実施することにより、現地ではパイロットを中心としたチームが組成され、ACSLが中期経営方針で掲げるASEAN進出も加速化される。

ドローン飛行の様子(イメージ)

 エアロダインジャパンは、ドローン・ソリューションプロバイダーのエアロダイングループ日本法人である。DT3(Drone Technology, Data Technology, Digital Transformation)を企業バリューとして掲げ、ドローンを起点としたインフラアセット管理のDXソリューションを行政と民間企業に提供している。広域にまたがり設置される電線網や通信鉄塔などのインフラ設備を始め、火力・風力発電施設やプランテーション、港湾設備、工事現場など、35カ国以上でサービスを提供している。

 ACSLは、物流・インフラ点検・災害領域において産業用ドローンを社会実装してきた。中型ドローンであるACSL-PF2および小型ドローンであるMiniを開発し、さまざまな環境や課題に合わせてカスタマイズすることで市場を拡大。さらに、2020年8月に中期経営方針「ACSL Accelerate 2020」を公表し、2022年の有人地帯上空での目視外飛行(レベル4)に関する規制整備が整う見通しの中で、よりセキュアで信頼性の高いドローンの開発・量産化を推進している。

 ACSLの産業用ドローンにおける社会実装実績と、エアロダインジャパンおよびエアロダイングループのASEANを含むアジアでの産業用ドローンのデータ解析経験を組み合わせることで、ACSLの産業用ドローンの信頼性向上とASEAN進出の推進を目指していく、としている。