ものづくり企業の育成や企業の新たな事業分野進出の支援を目的とした「かわさき新産業創造センター(KBIC)」に入居するTEADは、パナソニックシステムデザイン(以下PSD)と共同で、ゴルフ場のグリーン管理における業務の省力・効率化をサポートするドローンの導入、実装を目指し、2020年10月より実証実験を開始した。
ゴルフ場の芝のメンテナンス作業は、刈込だけでなく、芝のダメージ箇所や草丈の伸長に対して各種薬剤を散布するなど多岐に渡る。それに加え、危険を伴う箇所での作業には労災リスクの可能性もあり、管理を行うグリーンキーパーにとって大きな負担となっている。
そこで、グリーン管理を専門に手掛けるPFJのアドバイスのもと「完全自律飛行でピンポイント散布できるドローン」を用いた実証実験を開始した。
実証実験は、ユースケースをキーパーが定常作業を行われている傍らでドローンが飛行、散布するというシナリオで、指定箇所へ自律飛行し指定高度まで降下、その後指定ポイントへの薬剤散布を行うという流れで実施された。
農業分野においてクライアントのニーズに合わせたドローンのカスタマイズに強みを持つTEADと、PSDが基本飛行性能に関わるフライトコントローラーや各種センサー、周辺デバイスや自律飛行の制御を担い共同実証・開発をすすめ、グリーンキーパーの負担軽減を目指すという。
今後の展開
複雑な地形や形状を要するゴルフ場における散布方式は、TEADの熟練パイロットが飛行した感覚、散布ポイントをPSDが自律飛行のプログラムへ調整、実装させる機微なノウハウの形式知化という新たなプロセスを経て具現化した。広大なゴルフ場は無人地帯での目視外飛行の(レベル3)ターゲットでもあり、引き続き実証を継続しサービス化を目指していく、としている。
▼TEAD「ゴルフ場における自律飛行による薬剤ピンポイント散布の共同実証実験を開始いたしました」(2020/10/29)