2020年6月1日、楽天は、ゴルフ場予約サイト「楽天GORA」の事業において、ドローンの撮影画像を活用してゴルフコース管理を効率化するサービスを、国内の全ゴルフ場(※1)を対象に2020年秋より提供開始することを発表した。それに先駆けて、同日から、浅見ゴルフ倶楽部が同サービスの試験導入を開始した。

 従来はコース管理者によって目検で行われていた芝の育成状況などを、同サービス導入により、PC画面上で複数コースの状況を簡単に把握し、コース管理に生かすことができる。具体的には、事前にプログラムしたルートに沿ってドローンを自動航行させ、高画質で撮影されたコース画像を専用ソフトで分析できるようになる。これにより、芝の活性度や表面温度を把握できることに加えて(図1)、芝の生育差や日照を妨げる木々の繁殖、ゴルフカートによるダメージ箇所など詳細な状況が分かるため、ゴルフコース管理の省力化を実現できる。また、薬剤や肥料、水の散布状況を把握し、それらを与える場所・量・頻度等を適正にできるため、コースの維持コストを最適化することができる。

(図1)3種類の画像を撮影することが可能

 近年、ゴルフ業界において、コース管理者の人材不足が大きな課題のひとつとなっている。ゴルフコースの管理には、目視による芝の生育状況や病害発生状況の確認をはじめ、芝の長さを適度に保ち美観・質を維持するための刈り込み、病害予防のための薬剤散布に加えて、散水、肥料散布、バンカー整備、清掃など、多大な労力が必要とされている。特に目視によるゴルフコース状況の確認においては、コース管理者が数時間かけて行っていることが多いと言われている。一般社団法人 日本ゴルフ場経営者協会が行った調査によると、5割以上のゴルフ場が、コース管理にあたる社員について「不足気味」「欠員状態」であると回答している(※2)。

 同サービスの導入により、コース管理者が複数のコースを一括管理できるとともに、管理者の経験や勘のみに頼ることなく、業務品質の向上を期待できる。

 「楽天GORA」は今後も、各ゴルフ場が抱える課題の解決につながるサービスの拡充を行い、日本のゴルフ市場のさらなる発展に貢献していく、としている。

※1 国内ゴルフ場の数は、2018年時点で2,248。一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会「利用税の課税状況からみたゴルフ場数、延利用者数、利用税額等の推移」(2019年10月)http://www.golf-ngk.or.jp/news/2019/riyouzei/2019.11.12riyouzei.pdf

※2 一般社団法人ゴルフ場経営者協会「雇用状況実態調査」報告~人材不足が浮き彫りに~(2017年12月28日) http://www.golf-ngk.or.jp/news/2018/koyoujoukyouzitaicyousa.pdf